介護療養型医療施設 初日
最近は新型コロナウイルスの影響で、採用面接時に職場内の見学をお断りする病院や施設がほとんどです。
建物は何階建。
大部屋がほとんどで個室がいくつか。
経管栄養が30人くらいいます。
面接時に説明されますがイメージを膨らませてみてもやはり実際に見るのとはギャップがあります。
入職初日は施設内をぐるっと歩きながら案内してもらいます。
ここがステーションで、ここがホール。
居室はベ○ツやミ○ビシのマークのように3箇所に別れた廊下の両側に並んでいます。
マークの中央がステーションやホールとなります。
こちらがお風呂場で週に2回入れるようにしています。
月・木は女性、火・金は男性です。
ここが汚物室で、オムツや感染物はこちらに捨てます。
居室内はベッド周囲に羞恥心への配慮のためのカーテンはありますが、タンスを使用して仕切り替わりにしています。
経管栄養の人が多いため、天井に経管栄養や点滴をぶら下げられる棒を取り付ける場所がいくつもあり、棒が設置されているベッドばかりです。
吸引を必要とする人も多いため、吸引器があちこちに置いてあります。
面接時に聞いていましたがいざ目の当たりにすると介護施設とは思えないような感じがしました。
1日の流れや利用者さんの病名や経管栄養、血糖測定などの情報が記載された用紙を手渡され、先輩に付いて一緒に行動します。
とりあえず最初はマークの上方にある居室を受け持つことになりました。
利用者さんの側に行き、この人は吸引が必要です。点眼があります。口腔ケアをし、その後ジェルで保湿します。酸素を投与されています。熱があるので点滴をしていますと先輩から説明を受けます。
1度に説明を受けても覚えられる訳はありませんが、とりあえず「 はい。はい。」と返事しながら聞きます。
説明を受けながら何人かの口腔ケアを行ってみます。
先輩曰く、昔は午前と午後の2回口腔ケアを行っていたようですが、今は職員数が少ないため1日1回午前か午後の手の空いた時に行っているようです。
経管栄養者は口から物を食べないため唾液の分泌量が減少し、口腔内の細菌が増えてしまいます。
また、痰が口腔内に乾燥してこびりついてしまいます。
そのため口腔ケアをしっかりと行うことは誤嚥性肺炎の予防に繋がります。
肺炎となると点滴の指示が出るため更に忙しくなるので忙しくてもしっかりとやろうと思い、歯ブラシや舌ブラシで舌や歯、歯茎や痰がこびりついたところを磨きます。
痰がこびりついていたり、痰が溜まっているため吸引が必要になります。
これはまだ綺麗な方で、ひどいときは口蓋( 口腔内の上壁 )にびっしりとこびりつきます。
付いて1日くらいだと黄色っぽい痰ですが、数日経つと茶色っぽくなります。
毎日綺麗にしても次の日にはこびりついています。
茨城県のとある村にある老健施設では、口腔ケアを疎かにしていたため茶色の塊がびっしりと付いていた事例がありました。
全国展開している施設はお金儲けだけを考えているため、サービスの中身は危険なレベルですね。
さてさて、話を戻しましょう。
利用者さんへの処置の多さに働いていけるかの不安を抱えながらも、口腔ケアの大切さを再認識した初日でした。
ちなみに、経管栄養者が30人いるため30人の口腔ケアが必要となります。
マーク上方の居室だけで20人もいるため、1人に3分かかると口腔ケアだけで1時間かかります。
んー・・・やばすぎですね。