"外国語副作用" の正体(3)
"外国語副作用" の正体(1)では「外国語副作用の概要」について書きました。
(1)の記事は下をクリック。
(2)では「第二言語使用下で知的能力が落ちる」ことを書いています。
今回はこの続き。
5. その他.慢性的な疲労状態によりそもそも考えがまとまらない
第二言語使用時は言語処理にエネルギーが取られるために、第一言語で生活するよりも比較的脳疲労に陥りやすい状態にあります。
日々脳を休ませず慢性的な疲労状態にあると、処理できるはずの量や速さの情報に対しても考えがまとまらない、また深く思考できないといった影響が出ます。
疲労原因は無限に考えられますが、第二言語習得者は脳疲労にも気を配るとより良いパフォーマンスに繋がります。
◆For example;
疲れ切った日には第二言語が口から出てきにくくなります。思考が止まる上、話していても間違えてつっかかる。
またマルチタスクが脳に悪影響を与えること、スマホの見過ぎ(情報過多)による脳疲労も同じ原因が含まれます。
◇Imagine!!
これは誰に関わらず第一言語使用下でも起こる現象なので想像がつきやすいでしょう。
身体も脳も疲れ切って帰ってきた日には何も考えずに休みたいはず..
特に、体は元気なのに疲れていると感じる時などは脳疲労を疑ってみるとよいでしょう。
語学と脳のヒートオーバーについてもそれだけ書いた記事を用意しています:0
Conclusion
外国語副作用についてお話ししました。
思考を論理的に組み立てられなくなる
計算力の低下
認知機能の低下
記憶力の低下
その他. 慢性的な疲労状態によりそもそも考えがまとまらない
このどれも、低下した「ように感じる」のではなく、実際にこの現象が起こっているのです。
第二外国語使用時には処理資源を第二言語の処理に取られますが、母語使用時には、思考力記憶力は正常に働きます。
実際のところ、外国語副作用は大したことでもありません。言語能力の向上とともに徐々に軽減されます。
ただ、これらによって第二言語学習者が最も恐れるのは評価です。第二言語使用時には自分の本来の能力で思考や表現ができないためです。第二言語学習者はここらへんをもどかしく思っています。
他者から見たら、第二言語学習中の相手に対して良くない印象を持つかもしれません。
年齢より思考が幼く見えたり、論理的思考や速い計算ができず頭が悪いと思えたり、記憶していないことに落胆したり、注意散漫だと思えたり、10言わないと理解できない人と思うでしょう。問題解決能力も全体的に落ちます。
言語レベルや、その人が元より持つ知識量(文化範囲の差以外大抵の人は人並みの知識があるものです。だからひとまず言及しない。)とは区別されるであることを必ず知っておくことが必要です。
私も、ほかの外国語学習者に対してはこれらの点を考慮しつつも、普通にコミュニケーションをとります。相手がゆっくり話していても言い終わるまで待ったり、困っていたら助け舟を出したり、言葉に詰まっている際は一旦自分で表現してみなと成長を助けたり、副作用に関係している態度の細かいことは気にしないでいるのが良いです。ここでは本当の性格や意見を導き出す、本質を見抜く洞察力がポイントです。
学習者に対して、外国語副作用の影響なのか、外国語能力レベルの問題なのか、その両方なのか。それを見抜けるといいでしょう。
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今日はここまで。
また次回Meglogでお会いしましょう。
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