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おはようサマー


あっという間の四月だった。気付けばもう末日で、一ヶ月泣いたり笑ったり出逢って別れて、もう何も失いたくないし嫌いになりたくないけれどきっとこれからもいろんなものを失って、嫌いになっていく。そんな風に思ったし、それでもきらきらと光る日々にまた救われて、少しずつ前に進むのでしょう。もう、夏が始まるんだね。

やっぱり自分は人間関係が下手だし恋愛はもっと下手で、自分の考えすぎてしまう性格に改めて嫌気がさした。結局前向きになってきたと思っても心根はネガティヴなんだよなあ。

誰も傷つけたくないし傷つきたくないし夕日は綺麗だし、私はやっぱり彼のことしか好きじゃない、って、言いたい

でもそれは逃げだってわかってる、彼に言われずとも




寮の脇に咲くたんぽぽは全て綿毛に変わっていて、少し歩くとある小さな生垣のようなところにはピンクの薔薇がわんさかと咲いている。花は春を好む。人間はもうすぐ五月病になるというのに。

植木鉢で育てられたパンジーを見て来世は私も春に咲く花になりたい、と思う。春しか知らないでいられたらどれだけ幸せだったか。どうして四季を通して人間は生きていかなければいけないんだろうか。だけど、春しか知らなかったらきっと、私は春を酷く退屈だと思ったんだろう。こんなにも人が人を傷つける、狂おしく愛おしい季節だってこと、夏秋冬を知らなければきっと今も気づかないままだ。


良いことも悪いことも全部占いのおかげ占いのせいにして過ごす日々に別に特段文句があるわけではなく、そうでもしないと日々を過ごせないことにもう真面なメンタルは戻って来ないのだなと薄ら思うだけだ。心も頭も狂い始めてからが本番なのだから問題はない。


ギガを気にしながら使う携帯、人権のない満員電車、イヤホンから流れる音楽に聴きたい曲なんて本当は一つもなくて、彼の微かな「うん」という相槌の方が今の私にとってはずっと価値のあるものだ。くだらない日々、つまらない日々、そんな風に思ってしまったりするくだらなくてつまらない私。彼ばかり求めて、彼ばかりが遠ざかる。知らないだけで目まぐるしかった。息の仕方も忘れるくらいに、そんなこと考えることもできなかったくらいに、春は春一番の勢いだけを携えて、消えるように寂しさだけを残して、もうすぐいなくなる。

ほら、夏の光。閃光だ。おはよう。



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