がんばりすぎてしまう人たちへ
これは一番最初に書いたnote。
ずっと下書きに眠っていたからそろそろ成仏させなければ、と思い、最後の推敲を行う。奇しくもメンタルヘルスデーだし。
これは私の話だけど、きっと私みたいな人はたくさんいるはず。
疲れてしまっても頑張り続け、もうダメだ、というところまでいった時の話。3年前の話。
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おかしいかも最初の気づいたのは夏頃、気分がすっきりしないなぁぐらいだった。
そこから少しずつ考えるのが億劫になっていって凡ミスが増え、ふとした時に泣きたくなるような日々が増えていっていた。やれ苦手な夏のせいだ、エアコンのせいだ、という風に少しずつ出ていたサインを私は見逃していた。というか意図的に見逃していたのだろう。
私はそもそも負けず嫌いで、完全主義なところ(完璧主義ではない、と思っている)がある。できない自分がいやだ、頑張ればできるはず、と時代にそぐわないスポ根のようなのを持っていて、調子が悪いだけだ、もう少し時間をかけてしっかり仕事をすればいいのだ、みたいなことを思って自分をだまし続けていた。
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相当顔色が悪くて表情も暗かったんだろう、ある日同僚に「大丈夫?」と聞かれた。いつもなら一ミリも心を込めるに言うことができる魔法のコトバ【大丈夫だよ】が言えなかった。返事となる言葉は出てこず、涙しか出てこなかった。限界だった。
その同僚は私を会社の屋上に連れ出してくれて、泣き止むまでずっとそばにいてくれた。具体的な月日は覚えていない、夏の日の午後だったのは覚えている。
大丈夫じゃない自分を見抜いてくれて嬉しくてほっとしてる半面、そんなことで泣いてしまう自分に戸惑いを感じながらぐしょぐしょになった私の頬っぺたをぬるい夏の風がなでていった。
「それバーンアウトっていうんだよ」と同僚。
「バーンアウト…?」聞き慣れない言葉。
「そう、仕事を頑張りすぎて、疲れすぎているってことだよ。今のあなたはバーンアウトしそう。」
そうなんだ。。。?
「そういう風になるのは恥ずかしいことじゃないし、今やばいって気づいたから、今から戻ってこれるよ。大丈夫だから。」
とりあえず自分がバーンアウト状態で、あまりよくない状態というのは分かった。
「戻ってこれなくなると、本当にもっと時間がかかるから。あなたはまだ大丈夫だから。早くこの部署から出ていきなさい。私も出ていくから」
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当時、私は仕事がうまくいっておらず、自分が仕事ができないと思い、今でさえこんなにできないんだから、どこかに行っても仕事できるわけがない、ここで仕事ができるようにならないと同しようもない、と謎の呪縛を自分に課して、物事を先に進めること全てに対して尋常じゃない恐怖心を持っていた。一言で言うなら、ヤバい状態だった。
ひたすら、先に進むのが怖いと言い続ける私に同僚は宿題を渡した。
半信半疑だけど、とにかくやってみなければ、とその足で無印にノートを買いに行った。
言う通りに書いてみると、ペンが止まらなかった。思ってたことがあふれ出てきて、ああ私が見ようとしていなかった気持ちってこんなにたくさんあったってことに気づいた。
私、自分ができないって思ってたけど、できること、たくさんあるじゃん。
泣いてスッキリしたからなのか、気持ちをノートに書き起こして恐怖と向き合ったからなのか、自分はもう大丈夫だと思い、普通に働き始めてしまった。
何カ月もかけて積みあがってきたものが一晩で解決するわけないのに。
(とはいえ、この方法はとても役立った。今でも定期的にやってるぐらい、オススメ。)
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このような問題は根本的に解決しないうちは抜けきれないもの。一旦調子は戻ったものの、少ししてまた体調に支障が出てくる。
”夏季休暇取った?”と聞かれる度に”あ、取らないとですね”と生半可な返事をして働き続けていた。ぐじゃぐじゃになるほど泣いてから、2カ月ほど時間が経っていった。
季節は秋になっていた。
そのうちに動悸、頭痛、不眠に過眠。そういう症状が出てきた。毎日なにかしらの症状に悩まされ、体調が悪すぎて会社に行けない日が増えていった。そしてもうダメなんだとようやくベッドで横になりながら気付いた。
もうダメなんだと。
これ以上ここにいたら本当に戻ってこれなくなるんだ、と。
今までも休まなきゃ、と旅行の予定を立てようとしたが、決断力が鈍っているからか、どこに行きたいか決められない。そこでまたグダグダしてしまう。パソコンを開けて、行き先を探そうとするけど目が文字を滑る。好きなはずの旅ですらこんな状態になるなんて。。。これは結構堪えた。好きなことができなくなるのはツライ。
ある程度土地勘のある場所にして、チケットをやっとの思いで取る。一番早く連れ出してくれる便。チケットを取ったら後は宿だけ。その地で何をするかは今の自分には決められない。その日暮らしでいこう。
そして会社のメールやSlackの通知も完全にOFFにして1週間後には飛行機に乗った。
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2週間自分の好きなことばかりをした。観劇にいったり、公園で本読んだり、ケーキ買って部屋で食べたり。寒い日は部屋から一歩も出ずにnetflixなんて見たりして、風の吹くまま、自由気ままに過ごした。そして、(あまりにも使い古されすぎて、改めて使うのも恥ずかしいフレーズだけど)自分を取り戻していった。
休みから帰ってきた私は、いつから無くしてしまっていたのか昔の本来の私で、周りの人曰く「肌ツヤと目の輝きが違う」状態だったそう。
やっぱり本来の自分をなくしてはいけない。
だから、この職場からは離れないといけない、と決めた。そして次の仕事も決まらないまま、退職届を出した。(これに関しては賛否両論ある。私の友人の間でも私を「チャレンジャー」という人もいれば「無鉄砲」という人もいた。でも私からしてみれば必要なことだった。)
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私は悩みやすくて、かつ頑張れてしまうタイプだ。そう、いわゆる「真面目」な人間。仕事をやめることに関してなにか「負け」のようなものを感じて、意地になっていたところもあったと思う。だから仕事を辞めるのに結果的に数カ月かかった。うつ病の一歩手前だったと思う。
私が離職という判断を下すまでに、季節は夏から秋、秋から冬、になっていた。人によってはイヤだと思った次の日に辞められる人もいるだろうし、そこで耐え続けられる人もいる。
頑張りすぎてしまう人に対して一つ言えることは、途中でやめるのは負けじゃないし、時には戦略的撤退という考えも必要だということ。自分がどれだけパワフルでも、パワープレイだけじゃ乗り越えられない時もある。そして何よりも、自分を一番大事にしてあげないといけないということ。
体がつらくなってしまうようなところにいるぐらいなら、全力で逃げていい。一番は自分を守ってあげること。頑張りすぎてしまう人たちへ、そして今でも頑張りすぎてしまえる自分へ、一番大事なのは自分だよ。忘れちゃだめだよ。
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