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4つの大切なこと
太平洋戦争の後半、戦況が悪化し日本軍全体が「特攻やむなし、通常攻撃は意味がない」という空気に支配されている時、この方針を拒否し、合理的根拠を提示しつつ上層部を説得し続けたひとりの現場指揮官がいました。
彼は、自ら夜戦航空部隊を編成し、その隊員達にも合理に基づいた訓練を施し、最終的には夜間通常攻撃を上層部に認めさせました。
私は、太平洋戦争中の軍隊は完全な上意下達の組織だと考えていました。しかし、例外的なやりとりによって組織変革を起こしたケースがあったことを知りました。
私はこの本を読み、この現場指揮官の生きざまから学んだ大切なことが4つあります。
① 科学を軽んじるな:太平洋戦争の時日本軍は目視の精度を上げるため、双眼鏡の技術向上を図っていました。同じとき、英国はレーダーの技術を飛躍的に発展させました。その際、皮肉にも英国では、日本人が大正時代に開発した「八木アンテナ」という指向性の高いアンテナが活用されました。
② 己の使命を忠実に実践せよ:地位を盾にして威張る上司は部下から信頼されることはありません。上司としての使命を忠実に「実践」しているかどうかを部下はよく観ているものです。
③ 関係者以外であっても人を大切にせよ:戦争初期に日本軍がアジア諸国の島々を占拠した際、島の住民を大切にした部隊とぞんざいに扱った部隊とでは、いざとなったときに住民の軍への協力度合がまったく違ったそうです。普段から全ての人を大切にしたいものです。
④ 精神論は最後、それまでは死ぬほど理を詰めよ:パニックになりそうなときほど合理的な戦略を立てることが必要で、当時は撤退策も含め特攻以外に様々な戦略・戦術を取ることができたにもかかわらず、日本軍は精神論で突き進んでしまいました。
いかがでしたか。VUCA(不安定・不確実・複雑・曖昧)な時代だからこそ、これら4つの学びをみなさんにお伝えしたいと思いました。これらの教訓は、現代のリーダーシップ論として活かしたいものです。
なお、これは2017年に出版された小説『特攻セズ ―美濃部正の生涯―』を読んで私が感じたことです。気になる方はどうぞご一読下さい。
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境 克彦 著