「先取り行動」でいこう!
組織において人がとるべき行動は、大きく2つに分けることができます。
ひとつ目が「リアクティブ(reactive)行動」です。これはその組織のしきたりや文化に順応したり、規則を守ったり、やるべきことをきちんと継続したり、上司の指示や要請に従うような「反応的・対応的行動」です。
もうひとつは「プロアクティブ(proactive)行動」です。これは、これから先に起こりうる新たな状況や課題の解決に向けて、自発的・積極的に先を推測しながら行動する「先取り行動」です。
組織の基盤を安定させるためにはリアクティブ行動が必要です。一方、組織の成果を上げ、組織を成長させるためにはプロアクティブ行動が必要です。
かつての日本における組織は、どちらかといえばリアクティブ行動が推奨されました。安定的に右肩上がりの高度経済成長期やバブル経済いおいては、いらぬリスクを追う新しい行動よりも、先達の慣習に従った方が効率的だったからです。
一方、現代のような低成長でVUCA(不安定・不確実・複雑・曖昧)の度合いが高く、なおかつその変化も速い社会においては、何も考えずに慣習どおりを行ったり、会社や上司の指示を待って行動をしているメンバーばかりの組織では、徐々に社会から離されていきます。気がつけば周回遅れの組織となっていることもあります。
プロアクティブ行動を起こす人の特性は大きく3つ
1つ目は、自己効力感(Self-Efficacy)です。これは、自分の能力や行動が目標達成にどれだけ影響を与えるかに対する信念で、「自分ならできる」「頑張ればできそうだ」という気持ちです。自己効力感が高い人は、困難な状況でも自ら行動を起こし、問題を解決する能力があります。
2つ目はリーダーシップです。 チームの目標達成に向けて自分から行動を起こし、他のメンバーをリードする意欲や能力です。積極的に変化や改善を提案し周囲を巻き込む行動をとるためには、リーダーシップが必要です。
3つ目は柔軟性です。柔軟性がある人は、変化や未知の状況に適応したり、新しいアイデアや解決策を柔軟に受け入れたりすることができます。状況や環境が頻繁に変化する現代社会では、柔軟性を持ってプロアクティブに行動することが求められます。
先取り行動ができる人は速く自己成長し、自分だけではなく組織やメンバーにもポジティブな影響を与えます。これからの経営者や管理職などマネジメント層は、このような能力を醸成する必要があるでしょう。
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