共感的理解
カウンセラーによってクライアントの潜在的な心理的苦痛がある程度、的確かつ共感的に理解されることが、カウンセリングのファーストステップであり、ラストステップである。
カウンセラーがありのままの自分を受け入れてくれるとか、理想的な親のように見守ってくれると感じると、多くのクライアントの心の中に、これから自分にできそうなことで、しかも、さしあたりなすべきと感じられることが浮かんでくる。
心理的苦痛の深刻さをありのままに確かめるために、以下のようなポジティブ・フィードバックが有効である。
・「よく話してくれたね」
・「そんなに辛いのに、今日は〇〇をしてくれたんだね。」
・「ゲームで遊んでいるときは、気持ちが安らぐかな?」
・「もしかして、いなくなってしまいたい、と思うことはあるかな」
教育の現場におけるカウンセラーの主な機能は「育む」こと。子どもの内なる可能性が「下から上に」多様な形で顕現できるように、適度な環境を提供する。カウンセラーは、ひとり一人の子どもに即して「相手の言いたいことを聴こう」とする。
「教育現場におけるカウンセリング」(『心理と教育へのいざない』)