薬剤師桜井 一(さくらい はじめ)

創業25年地域密着薬局の事業承継。 地域貢献はもちろんですが技術料向上を目標として生き残る道を模索します。 経営やマネジメントの経験は無いので有識者の方はご指導いただけたらと思います。

薬剤師桜井 一(さくらい はじめ)

創業25年地域密着薬局の事業承継。 地域貢献はもちろんですが技術料向上を目標として生き残る道を模索します。 経営やマネジメントの経験は無いので有識者の方はご指導いただけたらと思います。

最近の記事

Rp:9 かかりつけ薬剤師になろう その1

患者さんはどのように薬局を選ぶだろうか。 そもそも薬局を「選ぶ」と考えている人も少ないかもしれない。 患者さんの多くは病院の一番近くにある薬局を選ぶことが多い。 いわゆる門前薬局だ。 現在厚生労働省が定める調剤基本料の区分の内、重要視されるのが集中率だ。 端的に言えば、門前とズブズブの関係の薬局はダメ、ということ。 門前からの処方だけでなく幅広く処方を受け入れる薬局が優良な薬局で、基本料に関しても優遇される仕組みになっている。 ではどうすれば門前以外の処方を受け付けることが

    • Rp:8 後発率の向上 その3

      「医療保険が適応されないってことは、その増額分は完全実費。1割や3割分だけ払うってことじゃないんですか?」 長期収載品を患者希望で調剤した場合の追加費用は完全実費となっている。 「うわあ、完璧にペナルティなんですね。」 「まあ国としては医療費を下げたい、後発率を上げたいって方針だからね。 中には負担金がかかってでも先発品が良いという人はいると思うけど、『お金がかからないから先発品が良い』って考えている人もいるからね。」 「っていうことは、子ども医療とか公費を持っている人も

      • Rp:7 後発率の向上 その2

        GEを患者さんにお勧めするにあたってもう一つ注意するべきところは負担額についてだ。 先発品からGEに変更すれば負担金が下がるのはもちろんだが、逆に先発品のままだと負担金が上がる場合がある。 「みなさんは『長期収載品における選定療養』って知っていますか?」 「いわゆる選定療養ってやつですか?なんか最近患者さんから聞かれることもありますね。長期収載品ってなんですか?」 ここでの「長期収載品」とは厚生労働省が定めた一定基準を満たした先発品のことで、具体的には ・後発品が収載され

        • Rp:6 後発率の向上 その1

          「谷口先生なんですが、今はGEに関してマイナスのイメージは無いみたいです。 今後は一般名処方にしてくれるそうなので薬局の方でも積極的にGEを患者さんに勧めていきましょう」 当面の薬局の方針としては後発品の調剤割合を上げることになった。 現在の薬局運営においてGEの使用割合を上げることで「後発医薬品調剤体制加算」を算定することは必須だ。 ホーム薬局では先発品の調剤割合が多いため「後発医薬品減算」を受けている。 まずはここを回避し「〜加算1」を目指す。 また10月から施行された

          Rp:5 ジェネリック医薬品 その2

          「はじめまして、桜井と申します。」 「小林くんから聞いているよ。経営状態次第では君が薬局を引き継ぐみたいだね。」 「聞いておられましたか。まだスタッフにも伝えてはいませんが、そのような流れになるかと思います。 ところで先生、以前はGEに関してあまり良いイメージを持たれて居なかったと聞きました。」 「以前は、ね。今のGEは先発と効果に変わりはないと聞いているよ。」 「そうですね、今はAGもありますし続々と新しいGEも出てきています。 痛み止め、睡眠薬など直接的な効果を感じられ

          Rp:5 ジェネリック医薬品 その2

          Rp:4 ジェネリック医薬品について その1

          谷口は門前クリニックの現院長で、2代目院長にあたる。 ジェネリック医薬品(以後GE)は効かないという医者いるのも確かだが、実際は違う。 GEが発売、薬価収載されるにあたって重要なのは「生物学的同等性が示されたか」どうかだ。 簡単に言えば、先発品と同じかどうかだ。 現在ジェネリック医薬品として薬価収載されているものは全て先発医薬品と生物学的同等性が示されたもので効果は同じとされている。 抗てんかん薬に関しては学会が後発品への変更後発品同士の変更に関しても慎重な意思を示しているの

          Rp:4 ジェネリック医薬品について その1

          Rp:3

          調剤報酬は大きく2つに分類される。 ・一度届けを出せば要件を満たしている限り算定できるものと、 ・その都度要件を満たした段階で算定できるものだ。 処方に疑義があり疑義後変更があった際に算定出来る「重複投薬・相互作用等防止加算」は後者にあたる。 後者の算定に関しては日々勉強しアンテナを貼り続けなければ算定することが難しいものと言える。 それに対して前者は「後発医薬品調剤体制加算」、「地域支援体制加算」などがある。 これは要件を満たして届け出をしていれば処方箋を受け付けるたびに

          Rp:2 薬局の収益源

          薬局の収入は主に2つ。薬剤料と技術料だ。 領収証の明細をしっかり見る人は少ないと思うが、薬局で支払う金額のうち薬剤料は非常に少ないことが多い。 薬剤料はその名の通り、薬そのものの値段だ。 これに関しては一般的な商売と同様に仕入れ値と売値の差が薬局の利益になる。 売値は基本的に厚生労働省が定めた薬価基準に基づき決められている。 よって薬局は卸から仕入れる値段をどれだけ安くするかで利益が変わってくる。 次に技術料。薬局の収益源の8割程度がここになる。 技術料とは自動車整備工場

          Rp:1 桜井一、夢の独立

          「うちの薬局を継いでくれないか」 2024年7月22日 よく飲みに行く小林さんからそう言われた。 薬剤師にとって「独立開業」は夢である。が、二つ返事で「OK」を出すことが出来なかった。 サラリーマン薬剤師の平均年収は600万円弱だ。 4年制大学を卒業し一般企業に就職したサラリーマンの平均年収450万円と比べるともちろん高いが、20代の平均だとどうだろう。 薬学部のカリキュラムが6年制に変更してより学費がかかるようになった。奨学金を借りている者も少なくない。 薬局経営と一口

          Rp:0 薬剤師の現実

          薬剤師と聞いてどのようなイメージを持っていますか? 楽な仕事で高収入。 そう思われている人も多いだろう。 『薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする』 これは薬剤師法第一条に記載している文言だ。 すべての薬剤師はこの条文を胸に仕事をしている。 と同時に、薬剤師はこの条文のように『国民の健康な生活を確保』すること以外にはとても疎い人が多い。 特にお金。 薬局薬剤師の数は約32