Rp:5 ジェネリック医薬品 その2
「はじめまして、桜井と申します。」
「小林くんから聞いているよ。経営状態次第では君が薬局を引き継ぐみたいだね。」
「聞いておられましたか。まだスタッフにも伝えてはいませんが、そのような流れになるかと思います。
ところで先生、以前はGEに関してあまり良いイメージを持たれて居なかったと聞きました。」
「以前は、ね。今のGEは先発と効果に変わりはないと聞いているよ。」
「そうですね、今はAGもありますし続々と新しいGEも出てきています。
痛み止め、睡眠薬など直接的な効果を感じられるもの関しては『効いていない』と感じる方もいらっしゃるようですが、基本的には効果に変わりありませんね。」
「そうか、土堂薬品にいた薬剤師が言うんならそうなんだろう。」
「先生の処方箋なんですが、現在先発名で処方されていますが一般名処方にしてみてはいかがでしょうか。」
「一般名処方か。それは別にいいがDo処方でも打ち直さないといけないだろう。面倒くさいな。なにかメリットあるの?」
「一般名処方加算というのがあります。どうしても先発品を希望するもの以外を一般名にしてくだされば最低でも8点の診療報酬を算定することができます。
現在いろいろな薬が供給困難な状況にあります。
薬局から変更しても良いか電話があるかと思いますが、一般名処方にしてくださればそのような電話は減るかと思います。」
「そうか、とりあえず一周するまで打ち替える手間はあるが電話対応が減るなら事務や看護師の負担も減るのか。
検討してみるよ。」
「他にも新薬の相談や訪問の同行など、何かあれば積極的に参加させていただきます。」
本来こういった医師との交渉は経営者、管理薬剤師が行う場合でもそれなりの信頼関係が成り立っている上で行うのが常識だ。
僕自身、こういった医師への提言は初めてのことなのでうまく言ってとてもホッとした。
今日は最高のお酒が飲めそうだ。