Rp:9 かかりつけ薬剤師になろう その1
患者さんはどのように薬局を選ぶだろうか。
そもそも薬局を「選ぶ」と考えている人も少ないかもしれない。
患者さんの多くは病院の一番近くにある薬局を選ぶことが多い。
いわゆる門前薬局だ。
現在厚生労働省が定める調剤基本料の区分の内、重要視されるのが集中率だ。
端的に言えば、門前とズブズブの関係の薬局はダメ、ということ。
門前からの処方だけでなく幅広く処方を受け入れる薬局が優良な薬局で、基本料に関しても優遇される仕組みになっている。
ではどうすれば門前以外の処方を受け付けることが出来るだろうか。
僕は「推しの薬局」「推しの薬剤師」を作ってもらうのが近道ではないかと思う。
これは簡単なことではない。薬局なんてコンビニの数以上ある世の中だ。
「鈴木さんはこの薬局で働き始めてどれくらいでしたっけ?」
鈴木さんは僕より年上の薬剤師だ。
「もう10年になるかな。どうして?」
「僕はこの薬局の在籍は今月からなんで出来ないんですけど、鈴木さんなら『かかりつけ』取れるかなって思って」
「かかりつけ薬剤師?ん〜仲いい患者さんもいるけどどうだろう。。それこそ負担額増えるしねぇ」
かかりつけ薬剤師指導料
かかりつけ医という言葉は昔からあると思うが、かかりつけ薬剤師という言葉は聞き慣れないかもしれない。
かかりつけ薬剤師とは「あなた専属の健康コンシェルジュ」といったところだろうか。
かかりつけ薬剤師になるには様々な要件はあるが、一番のハードルは負担額が増えることだろう。
お薬手帳を持参される方だと服薬管理指導料として45点を算定することが出来るが、かかりつけ薬剤師になれば「かかりつけ薬剤師指導料」として76点を算定することが出来る。
「確かに、患者さんからすれば負担額が増えることはしたくないと考えるでしょうね。
じゃあどれくらい負担額が増えるかってわかりますか?」