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夫が育犬ノイローゼになりました

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念願のDogLifeを始めたと思った矢先、我々夫婦を待ち受ける過酷な試練の連続。 犬のいる暮らしを始めた夫婦の喜怒哀楽を記録しています。
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#犬との暮らし

#1 深夜3時の緊急要求宣言

#1 深夜3時の緊急要求宣言

「ワオーンワンワンワンワンワン」
遠くのリビングから仲間を呼ぶような声がする。
時計が指すのは午前3時。
嘘だろ…と目を疑いたくなる。
声の主は、今日引き取ったばかりの
ビションフリーゼのオス犬。
「ボナム」だった。(現在3ヶ月半)

ボナムに最初出逢ったのは、ボナムが2ヶ月ぐらいの時。
小学生の頃から犬を飼うことが夢だった私は、
今年三十路となった。
5歳上のプチ神経質な夫と、犬を飼うことを夢み

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#2 声量、森久美子

#2 声量、森久美子

【前回の内容】↓

次の日も次の日も、ボナムの要求吠えは止まなかった。

しつけ魔法「無視」を発動し続けるものも、

その無視に対抗して吠え続けた。

この小さな体からどうやってこんな声量が出せるのだろう

お前はオペラ中の森久美子か?といわんばかりの声量で

私たちに対抗してくる。


要求吠えをするタイミングはいつも決まって

ー人の姿が見えなくなったときー

人がいると、すぐ静かになる。


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#3 プリズンブレイク

#3 プリズンブレイク

【前回の内容】↓

ボナムの要求吠えは、日に日に回数・声量共に
増えていった。
夜鳴きだけだったはずが、
昼の時間も平気で吠えるようになった。

吠える時は決まって、
私たち夫婦が自分の視界から消えた時。
同じ家にいたとして、姿がみえなくなった瞬間
彼は警報のごとく叫びちらす。
そして、一瞬にして私たちが帰ってきたのなら
吠えは止む。
とてもシンプルなものだった。
しかし、一瞬でも居なくなった瞬間

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#4 「うっせぇわ」

#4 「うっせぇわ」

【前回の内容】↓

森久美子の講演を5日連続聞いた深夜。
私はいつものように鳴いているなぁと
諦めモードでぼんやりとしていた。

私は常日頃、旦那の大きなイビキを横で聞きながら
爆睡できるタイプなので、
ボナムの鳴き声を聞きながらも眠りに入ろうと思えば
入れてしまうのだ。
そんな矢先、

「うっせぇーーーーーーーーーーーーーーーーー」

旦那がついにブチギレた。
日中はテレワークで張り詰めている旦

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#15 心配ないさ〜

#15 心配ないさ〜

【前回の内容】↓

まだ目が冴えてない中
声のする方へ向かうと
そこには驚きの光景が広がっていた…。

ボナムが、ボナムがクレートの上に乗っている。

クレートの下にはう●こが散乱し
足の踏み場もない。

ボナムは怒り狂ったかのように
「ここから降ろせ〜!!!」と鳴いていた。

旦那は硬直していた。

ボナムのたたずまいは
まるで百獣の王のようであった。
まさにライオンキング。。。

私達は何を見

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#最終話 「人生は壮大な喜劇」

#最終話 「人生は壮大な喜劇」

【前回の内容】↓

しつけ教室の扉を叩く。
「どうぞー」
と招き入れるトレーナーさんの声は明るい。

「失礼します」

入ると、付近に
布で覆いかぶさったクレートがあった。

ここにボナムがいる…
胸の鼓動が早くなる。

トレーナーさんから1ヵ月の経過観察
現在の状態の説明を受け
ついに、対面の瞬間が訪れた。

ボナムは、ちゃんと覚えているのだろうか。
緊張のあまり、大ツバを飲む。
ゴクリが大きす

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