◆松岡和子訳『リチャード三世 シェイクスピア全集』ちくま文庫
こんばんは。
1人シェイクスピア月間ということで、あっという間に6月も3分の1を過ぎての8作目、リチャード三世。
今までじっくり知ることのなかったイギリス史を垣間見たという感じでした。
途中、あまりにも冷酷なリチャードに、解説まで早く読みたい、こんなに救われないことはあるのだろうかと思ったほどでした。これまでもハムレットはじめ、王位に着くため裏切りのある物語はありましたが、注釈に史実では…、と見るたびに、こんなことの元になる話が本当にあったのだろうか…と思ってしまう辛い物語でした。
そんな中で、印象に残ったのはリッチモンドとリチャードの出陣演説でした。どちらも自陣を鼓舞するためですが、一方は希望に溢れた瑞々しさが感じられ、他方は罵詈雑言に覆われた黒々しさが恐ろしく、コントラストの強い言葉の力に驚きました。
また、リチャードは、劇中を通し沢山の言葉を発していたにもかかわらず、こときれの場面は無言、というそれまでのカラー画像がその瞬間だけ白黒になるような描写も印象的でした。
内乱という大きな悲劇を描いてはいますが、人気作とのこと。歴史の人物の名前を知れ、勉強になりました。
良い日曜日をお迎えください。
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