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営業職で働く私が常に黒字社員でいるために大切にしていた10のこと


私は国公立大学を卒業後、非常勤講師として学校で勤めたが、
適応障害という精神疾患を患い、約1ヶ月で退職した。

その後アルバイトをしながら転職活動を行い、縁あって教育関連会社の営業職に正社員として採用された(その後退職し新たな職種に挑戦するが、この話はまた改めて記事にする予定)。


営業マンとして働くなかで上司の教えや、本からの学び、たくさんの失敗から得たものは大きく、その後の生活にいきている。

今回、私が黒字社員でいるために、そして他社と差をつけるために大切にしていた10のことをまとめた。

この学びは、人に関わる仕事をしている方なら誰でも活かすことができると思うので、ぜひ使えることがあれば「いいとこ取り」をしてほしい。


1.清潔感を保つこと

教育関係の営業職で、営業相手は主に学校の先生だったため、先生に好まれそうな理想像を自分なりに考え、その理想に近付けるように意識した。

具体的に実行していたことは以下の通り。

毎日靴を磨く

100均の道具でいいから毎日綺麗にしておく。見ている人は細部までチェックしている。
スーツは丁寧にアイロンをかける

パンツスーツの時は、太ももから足先まで伸びる縦の折り目をアイロンでしっかり付ける。ジャケットは必要な時だけ着て、汚れやシワがつかないようにする。
香水を控えめにつける

化学物質過敏症の方もいるため一概にオススメはできないが、匂いは記憶に残りやすいのでほんのりにおう程度につけていた。オススメはロクシタンの練り香水。
その他(個性は魅力、個性を失わない程度に)

髪はナチュラルな髪色でいる、アクセサリーは時計のみでシンプルにする、高価なものは(引かれる可能性があるから)身につけないことを徹底した。


2.必要がなくなるまで名刺を渡すこと

営業をする上で第一関門となるのが、
自分の顔と名前を覚えてもらうこと。その為には、

「もういらないよ」と言われるか、「◯◯さん」と名前で呼んでもらえるまで名刺を渡し続けた。

営業の相手は毎日たくさんの人と会っている可能性がある。行って渡すたびに捨てられているかもしれないし、ある程度親しくなったつもりでも、名前は覚えてもらえていないこともある。

(とある先生は、貰った名刺を全部とっておいて、枚数の多い会社に仕事を任せていた)


3.「挨拶」や「言葉遣い」に気をつけること


「第一印象は出会って3秒以内に決まり、その印象を変えることは難しい」

入社した初日に会長からこう言われた(諸説あるそう)。この言葉がきっかけで意識したことは以下の3点。

はきはきと元気よく挨拶をする

当たり前のことと思われがちだが、できていない人も多い。見た目も大切だが、やはり第一声も第一印象をよりよくするために大切にしたい。
「なるほど」「ご苦労様です」といった偉そうな言葉は使わない

人によっては、そのたった一言だけでも不快な思いをする人もいる。うっかり言ってしまわないように私生活でも使わないように気を付けていた。
帰る際には必ず感謝の気持ちを伝える

相手にも他の仕事はあるはずだし、時間は無限にあるわけではないので、「お忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました」と会ってくれたことに必ず感謝する。


4.自分が「話す」より、相手から「話を引き出す」こと


頭では理解していても、実際に営業してみるとこれが結構難しい。

仕事で伝えなければならないことは要点をまとめて手短に済ませる。自分からの一方的な営業内容であればあるほど簡潔に、を意識していた。

もし雑談ができそうなら、そこで相手からできる限り話を引き出す。仕事の話が引き出せたらもっといいが、はじめは難しいし、雑談から仕事の話に繋がることもある。

私が雑談をする時に頭に入れていたのが、話題の頭文字「したしきなかに」。これはある日新聞に載っていたものを父から教えてもらい、手帳に書いておいた。

し・・・仕事
た・・・旅、食べ物
し・・・趣味
き・・・気候
な・・・仲間
か・・・家族
に・・・ニュース

例えば、「お天気いいですね!」と話をふってみて、「そうですね」と言われても、その1ターンの会話で終わらせるのではなく、「外の部活に嬉しい日ですね。先生は部活の顧問をされていらっしゃいますか?」ともう1ターンふってみる。

その時の反応次第で、相手がこれ以上話したくなさそうなら、すんなり帰る。

もし相手から具体的な単語や内容が出てきたらラッキー!ここぞとばかりに質問をする。

実際にあったのは、初対面の相手から「週末も天気よかったでしょ、実は潮干狩りにいってね…」と言われたことがあり、

その時はすかさず、「えー楽しそうですね!どれくらい採れたんですか?」「どこまで行かれたんですか?」と質問をして話を膨らませた。

話題が見当たらない場合は、ネクタイや服装を褒めてみたり、その場に飾ってある絵や花のことにふれてみることもあった。


5.カウンセリングマインドを意識すること


カウンセリングマインドとは心理学の用語で、カウンセリング的に人と関わろうとする者が持つべき態度や考え、心構えのことで、「あなたの話が聴きたい」「あなたの気持ちを分かりたい」という態度のこと。

大学在学中に教育心理学で学んだ内容で、これは営業職でも非常に活かせた。相手を否定せず、共感する姿勢を忘れないようにした。

相手から話を引き出すために気をつけたことが以下の3点。


1点目は、

相槌の打ち方を工夫すること

「そうなんですね」「そうですか」と単調になってしまうと、自分の話に関心がないと思われてしまうかもしれない。

相槌のさしすせそ(さすが、知らなかった、素敵、すごい、センスがいい、そうなんだ)を活用するのもいいが、過剰に使うと不自然に感じる。そんな時は、

相手の言ったことを繰り返すのもひとつの手。

例えば、「うちのバレー部が先日の大会で優勝してね…」と言われたら、「えっバレー部が優勝したんですかー!おめでとうございます!」というように、文章の一部を反復する。それから、

相手の話の句読点で「うんうん」とうなずくのもテクニックのひとつ。


2点目は、

相手の話の途中で口を挟まないこと

相手の口元や目線をよくみて、口がまだ動きそうだったり、自分と目が合わなかったりしたら話が続く可能性があるから、タイミングをしっかり見極めて話が終わってから自分も話し始める(話し終わったらだいたい目が合う)。

これも分かっていてもかなり難しい。慣れればできるようになるから、私生活でも繰り返し練習をした。


そして3点目は、

ここぞというときは「ちなみに」を付けること。

「ちなみに」はとても便利な言葉で、不思議といろんなことが聞き出せる。

「ちなみに、部活って何ですか?」
「ちなみに、週末どこまで行かれたんですか?」
「ちなみに、美味しいごはん屋さん知りませんか?」

これはもう何回使ったかわからない。この例は雑談ばかりだが、特に仕事の話ではよく使ったワード。相手が不快に感じない程度に使うのがポイントで、使いすぎるのもよくない。ここぞというときに使う。


6.話した内容は必ずメモをして残すこと


私は営業した相手とわかれてすぐノートにメモをし、会社に戻ってからExcelに打ちなおしていた(仕事に関する内容は、相違があったら困るので会っているその場で確認しながら書く)。

何を話したか、どんなものが好きか、見た目や特徴も自分がわかる範囲で書いておき、次に会いに行く前にもう一度読んで下調べをしておく。

例えば「日本酒が好き」と前回聞き出せたら、銘柄を調べたり(相手が確実に知っていそうなものがよい)、質問をいくつか用意しておいたりする(「好きな銘柄はなんですか?」「おすすめの居酒屋ってありますか?」など)。

話を膨らませて、どんどん距離を近付ける。


7.手応えを感じたら、相手の記憶に残っているうちに再度訪問すること


前回話した時間や内容、相手の反応から、どれくらいの期間なら自分のことを覚えてくれていそうか考える。だいたい◯日、◯週間と決めたら、はやめにアポをとって会いに行く(アポの際には前回会ってくれたお礼の言葉を伝えるのも大事)。

ほどよい距離感を保って、決してしつこく会いに行きすぎないことも意識した

再度会う時には、(相手が自分のことを忘れている可能性もあるから)決して馴れ馴れしくせず、前に会ったことを覚えてくれていそうだったら、さりげなく前の話題に触れてみる。


8.正直でいること


簡単にバレるような、その場しのぎの嘘はつかない。嘘がバレた時に失うものが大きいから。そして、一度信頼を損ねると、その後仕事を任せてもらうことは難しくなる。

分からないことは「すみませんが、勉強不足ですぐにお答えできません。」と伝え、「すぐ調べて連絡させていただいてもよろしいですか?」と提案する。この提案が肝

できないことは「難しいかもしれないので、〜〜〜〜こういう形はいかがですか?」とできる方向に提案してみる。

正直でいると、「この人は嘘をつかない人」「この人なら信用できる」と思ってもらえることが多い。

実際に私が新人の時に「君は嘘をつけない人だから一緒に仕事をしたい」と言われたことがある。

こちらに落ち度があったときは、素直に非を認めて「申し訳ありません」と頭を下げるのもとても大事。


9.+a(プラスアルファ)の心遣いで特別感を意識すること


例えばお客様から電話がかかってきて、その番号が明らかに携帯電話からだったら、

「お電話ありがとうございます。◯◯先生、ちなみに携帯電話からかけてくださってるのではないですか?お電話代がかかるので、もしよければこちらからすぐにかけ直しましょうか?」

と言ってみる。

他社がしていない心遣いだったら、自分の印象がよりよくなるかもしれない。

あとは、(許される相手であれば)あえてアポ無しで会いに行き、会えなかった場合に手書きの手紙を残す、ということもした。

競合他社と業務内容があまり変わらないなら、心遣いで差をつける


10.与えられた仕事は、とことん丁寧にこなすこと


フットワークは軽く、熱意を持って真摯に仕事をする。

例え任された仕事の規模がどんなに小さくても、利益の出ない仕事でも、一生懸命すれば相手にも伝わる。

簡単に手に入れた信頼だったら、失うのも簡単だと上司に言われたことがある。そうならないために、何事もコツコツゆっくりと、信頼を厚くしていく。


以上の10のことを大切に営業した。

他にも、基本的にアポをとる、名刺入れを使う(名刺はその人そのものだと思い大事に扱うため)、約束の時間に遅れない(ないにこしたことはないが万が一1秒でも遅れる場合は、必ず遅れることを詫びる電話をする)、帰るときに振りむいて一礼する(相手が見送ってくれていることがあるから、見えなくなる前にもう一度振り返って頭を下げる)といった、
基礎基本的なビジネスマナーは大前提で身につけておく必要がある。

たった1年と3ヶ月という短い期間だったが、私にとって学びが多く、得られたものは大きかった。

仕事を辞める際、勤め始めた時に自分の中で決めた「社長から辞めないでほしいと言われる」という目標はクリアし、「いつでも復帰していい」とお墨付きを頂いたので円満退職できたと思っている。

営業では失敗もたくさんして、時には怒鳴られたり、紙を投げつけられたりしたこともあるが、その経験から得られる学びは多く、メンタルも鍛えられた。


この記事を読んでくださった方にとって、
ひとつでもふたつでも活用できるものがあれば幸いです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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