シメ 東京 しめ鯖が好き

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日記・夏の終わり

髪を切った。 くたびれたバンドマンのようなバサバサのウルフカットを稲穂のごとく豪快に刈り取り、収まりのいいショートヘア。 切り落とされた毛束は、床の上で小さめなヨークシャテリアのような形を成し、まもなくして掃除用ブラシに背中を押され、美容室の奥の方へと消えていった。 鏡に映った姿は幼い頃、母が自分に描いてくれた似顔絵と瓜二つだった。 手を繋いで歩くと、夜道に細長い影と低く少し横に膨らんだ影が手を繋いだ箇所から足元へかけて混じり合って、ひとつの塊のようになる。 それは街灯か

    • 終わりなき旅、鬼の苦痛説

      終わりなき旅。 この言葉を聞いて何を思い浮かべるだろう。 めちゃくちゃ悪意のある事をした自覚はある。 有名なあの曲だったり(本当にちゃんと聴いた事がない、本当にすみません。7分あるんですね)、カラーサークルの隅の隅、彩度をを最大限までに引き上げたような青い空と、地平線と、どこまでも続いていく一本道。ここからどんな出会いがあるのか、何が起こるのか、期待と不安、けれどその果てに待つのは輝かしい明日だという根拠のない確信。 いや無理がある。ちょっと厳しくないですか? 何かを

      • 煙草と深呼吸は隣り合わせである

        どちらにしようか、 11分の寿命と、こころの安寧と

        • 其の者、火花という名で

          今日、友達を待つ時間を潰すために入ったカラオケでなんとなくフジファブリックの「茜色の夕日」を歌った。 自分の語彙では説明できないので、お手数だが一旦歌詞を見ながらこの曲を聴いて、またここに戻ってきてほしい。 なんとなくこう、やるせなくて、さりげない後悔を知らず知らずのうちに募らせて、時間が経つとジワジワと胸に小さな傷として染み込んでくるボディーブローのような曲だ、と自分は思う。曲調自体は優しいんだけどね。 この歌の中にこんなフレーズがある。 この流れ、どこかで見ただろう

          新年早々、早々に

          なんだかずっと心が晴れない。 年は明けど、気持ちは2022年の6月の雨の日。 雲の切れ目が見えないまま、どんよりとした日々が続いている。 何かが足りないような、摂取しすぎているような、隙間が埋まらないような、詰め込みすぎて息ができないような。 いまだ、しとしとと雨が降る中を歩いているような錯覚だ。 明けませんでどうしようなあ。

          新年早々、早々に

          名残

          コーヒー、コーヒー、あれ、東京の人たちってどうやって発音するんだっけ、コーヒー、アイス、コーヒー、胸のあたりがザワザワしてしょうがない。心の中で何度もまじないのように唱えて、アイスココアを注文した。

          精神のボーダーライン

          せめて自分だけは自分の味方でいなければ 疲れていたんだろうね、無理しなくていいよ まだ上京する前に生まれてしまったもの(この前開いちゃって日時が更新されてしまったけれど) 文字に棘があって、触ると刺さってしまうような痛々しい文章になってしまった。触らないでほしい。 ちなみに皆は自分の限界のボーダーを知っているだろうか。 自分は音楽が邪魔者になった時だ。知らないうちに切り傷まみれになっていた自分の心臓にじわ、じわと満身創痍のそれに塩を塗ってくる。普段自分の味方でいてくれる曲

          精神のボーダーライン

          大人ってエスカレーター式でなれるものじゃないんですか

          8/14 お元気でしょうか。陰性を引っ提げ東から北へ。長期間のお暇を頂いている今日この頃。実家のベランダの柵に携帯を置きながら打っている。後2cm程、ガタン!とやると数メートルの高さから携帯が紐なしバンジー状態になる絶体絶命的状況。 北は真夏のピークが去ったあたりだろうか。体温ばりの激アツ気温だったのは1週間ほど前の話。キャリーケースに詰めた半袖たちは役に立ちそうもない。 冷夏とは言い難いけど、赤黄色の金木犀を美味しく聴ける時期に入ったと思う。煩わしい夏も過ぎ去ると少し寂し

          大人ってエスカレーター式でなれるものじゃないんですか

          夏の手がそこまで

          また時間があいた。自分は文章が降りてこないととことん書けない天啓タイプなので余裕で1か月2か月かかってしまう。 毎年来る初夏の報せの1つに、山形に住む友人からさくらんぼのおすそ分けが来る。〆、今年も送っていい?とメッセージがくると胸が躍る。彼女は惜しげもなく段ボールにミッチミチに入った1キロのさくらんぼを送ってくれる。届いた瞬間一心不乱にさくらんぼをほおばり、腹を壊し、夏の訪れを感じる。毎年食べ過ぎるとおなか壊すからね、と忠告をもらうが今年もしっかり腹を壊した。夏だ。去年は

          夏の手がそこまで

          怠惰、怠惰でしかないのよ、日常

          気づいたら寝ていて午前2時過ぎに目を覚まし、現在朝の6時半。死ぬほど微妙な時間帯。こういう時ぐらいしか朝の情報番組を見ない。4時半ぐらいにエモくてチルめな音楽(感性の薄さが露呈した瞬間)を流しながら窓際に座って、使用禁止のベランダに足を付けないようタバコを2本吸った。エモい、エモすぎるな。 ふと、PCのキーボードをポチポチ押すあの感触が恋しくなって今この文章を書いている。ほぼ殴り書きなので許してほしい。noteってなんか改行難しくないか? ということで、今日の主役とも言え

          怠惰、怠惰でしかないのよ、日常

          東京、どう?

          東京に住み始めた。今日で3週間が経つ。 「東京の空は星が見えないと聞かされていたけど、見えないこともないんだな」 フジファブリックはこう歌っている。 上京する前の会社にいた関東人の同期が、この歌知ってる?と歌ってくれた。その後に「俺は向こうから来たから、東京の空を見てこの歌みたいな経験をすることは一生ないけど、〆さんはこれからなんだね、羨ましい」みたいなことを言ってくれた。なかなかに詩的でエモいフレーズだと思う。ちょっと変わった人だったので、彼についてもいつか記せたらなと思

          東京、どう?