しにてぇと思いながらも生きていく|短歌
「おめでとう」拍手も笑顔も嘘じゃない
でも心臓はひきつっている
たまにはね金を払って悲しみを買ってしまったこともあったよ
おしゃべりな君の話を聞いてると
余白がほしくて少しくるしい
ある日から吹き出しが途切れたまんま
わたしはなにを間違えたのかな
ひとりだけずっと去年から出られない
やっと今年になったら来年
しにてぇと思いながらも生きること
ねむてぇくらいに捉えてほしい
むかし、短歌づくりにハマっていたことがある。
そのあと飽きがきて、しばらくつくってなかったけれど
最近、またつくりたい気持ちが湧いてきた。
きっかけは、最近『あなたのための短歌集』という本を買ったことだ。
この本は、
"依頼者からお題をもらい、その返答を短歌にして届ける"という、歌人の木下龍也さんによる短歌の個人販売プロジェクトから生まれた一冊となっている。
木下龍也さんの短歌はいいなぁ。
と、前々から思っていた。
この本のことも、この本になる前に開催されていた『あなたのための短歌展』も気になっていた。
2ヶ月くらい前にも本屋さんでこの本と目が合って、「気になってるんだよなあ」と思いながらぱらぱらとめくっていた。
でもそのときは、買うに踏み切れなかった。
最近、"この本をこの人に読んでほしい"と思うできごとがあった。
その人に貸したいから、まずは自分が買って読まなくちゃ。
タイミングは、2ヶ月前じゃなくて今だった。
本を読むことが苦手で、買ってもほとんど読まずに積読がどんどん溜まっていっちゃうわたし。
だけど、今回は一気に読めた。
木下さんの、言葉のやさしさに包まれる。
短歌のまわりの余白も心地いい。
ここには、わたしの好きな一首がたくさんあった。
なかでも、とくに好きだと思った歌を紹介する。
あなたの好きな歌もあるといいな、
そう思いながら読み進めていった。
読み終えたわたしは、自然と過去につくった短歌を見つめなおした。
あぁ、こんなことを書いていたんだね。
自分でも忘れていた気持ちに再会して、時がたってから気づいた今の気持ちと掛け合わせる。
そうしてすこし手入れをしたり、
新たな短歌をつくってみたり。
そうすると、眠っていた自分の感情や、なんてことのない日常が、すこし陽の光を浴びてるようで心地よかった。
今回は、
ちょっと暗めな歌をセレクトしてみた。
一年前くらいにつくったものも、できたてほやほやのものも混ざっている。
(ちなみにヘッダーは、むかし作った消しゴムはんこ)
わたしのことだから、また飽きたりまたハマったり…と、波があるかもしれない。
けれど、短歌を楽しんでいきたいと思う今日このごろです。