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近所の大型書店
4歳の息子がついにガンダムに目覚めた。
メカニック系ロボットを愛する彼はガンダムの堂々たる「メカニック感」「カラーリング」「オデコについてるツンツン」に魅了されているご様子。
目をキラキラさせガンダムに心奪われている姿が何より可愛い。
一方でオカンのわたしはと言うと、愛する息子のハートを射止めた「ガンダム」からはほど遠い「体育会系渋谷命ギャル」としてこの人生の大半を過ごして来たもので完全なる戦力外。
そう。愛する息子の力に1ミリもなれないと言う現実に直面したのである。
”高すぎるガンダム壁”
そこで”渋谷系元ギャルママ”と”メカ好きインドア息子”は藁にもすがる思いで大型書店へ足を運ぶのである。
毎週訪れている大好きな書店。
雑誌やエッセイ本しか買わない私にとって、初めての”オタク漫画コーナー”
可愛い息子は「ガンダムのほん、あるかな〜👀」なんて言いながら心をワクワクさせながら私の手を握ってくる。
息子「ないね〜」
元ギャ「ないね〜」
・・・・店内グルグル。
息子「ないね〜」
元ギャ「ないね〜(は?まじ無さすぎ疲れたんだけど)」
・・・・・オタク漫画コーナを軽く15分以上はグルグルしました。
こんなにも目処が立たないモノなのか。
あの大人気漫画ワ○ピースですら大分序盤のチ○ッパーの所で完結している上にもう一生読むことは無いと誓っているくらいこの様な文化から離れて育った元ギャには「ガンダム」がアニメなのか、漫画なのか。単行本に載っているのか、攻略本?なのか。全くもって所属がわからないのである。
驚くでしょう?
私もめちゃくちゃ驚いたもんです・・・・
息子のワクワクを自身の無知力で裏切る訳にも行かないので、私はギャルの最大の武器”圧倒的コミニュケーション能力”を存分に活かしオタ漫画コーナーの”明らかオタである定員さん”に話しかけたのである。
オ「ガ・・ガンダムの本・・お探しですね?(小さい目の声)」
ギャ「そうなんです!息子は字が読めないので、図鑑みたいにガンダムの写真が沢山入ってる本が良いんです!(元ギャなので声デカ目)」
オ「わかりました。お待ち下さい!!!!!!!」
ササッ!!!
本棚の間を颯爽と駆け抜けるオタ店。
そのランニングフォームからはオタク感が溢れまくっていたが、背中はとても輝いていた。
多分だけど彼は「ガンダム」と言うプライドを背負って働いてたのだ。
背中が、違った。
戻る彼の手には、彼の渾身の一冊「MS図鑑 RX-78 ガンダム」が!!
(MSって何やねん)
息子大喜び。
元ギャのわたしも感動&尊敬。
オ「中確認しますか?」
ギャ「いや、写真があるなら十分なので確認しなくても平気です!本当にありがとうございます!(アナタが選んでくれた本なら確認なんて要らないゼ)」
ガンダム大先輩のおかげで大満足で本を買った親子の話でした。
彼はガンダムの何に魅了されて生きてきたのであろうか?
ガンダムにどれだけ時間とお金を費やしたのだろうか?
どんなガンダムがおすすめで、どんなシーンが好きなのだろうか?
こんな事まで想像させる彼は”プロ”そのものだった。
きっと私も大好きなお笑いの事をビギナーの方に聞かれたら、関西からどこまででも颯爽と駆けつけてしまうかもしれない。
今年のキングオブコントはどう面白い。とか、
ニッポンの社長は唯一の関西コント師の生き残りなんだ。とか、
だけど一度はニューヨークが優勝する所を見たい!やっぱこの人達は”ネタ”が面白いんだ!とか・・・・・・・
熱く語ってしまうであろう。
結局、私もれっきとしたオタクであった。
だから彼の背負ったものを感じれたのだきっと。
わたしもオタクだから、彼のプロフェッショナルさに感動出来た。
そして改めて”好きなモノ”の大切さ、尊さに気付かされたのである。
こんな機会をくれた息子ありがとう。
いつもの本屋さんで”推しと言う幸せ”に気づけたよ。
推しは活力。
生きるヒントをくれる時だってある。
人生に勝ち負けは無い。
けど推しが居ることで時間や心が豊かになる。
時に感動し、泣き、悔しみ、全力で応援する。
密度の濃い人生にさせてくれる推し。
いつもありがとうございます。