空っぽの武器
「あなたの長所は?」なんて聞かれると、正直、「いや、こっちが聞きたいわ」って思うんだよね。毎回用意してる、面接向けの優等生回答を並べてしのいでるけど、内心は未知の生物と戦うような気持ちだ。自分の良いところとか好きなところ?うーん…どこだろう?昔から自分の「推しポイント」を見つけるのが下手でさ。器用貧乏だけど、貧乏すぎて何も極められないタイプっていうか。どんなにがんばってもスライムくらいの経験値しか貯まらない。
で、「もう外見で勝負するしかないか!」って一念発起。髪型にメイクに、ついには服装まで改造し始めたけど、いざ変えてみたら今度は「誰かにどう思われてるか」が気になり始めるわけ。気づいたらルッキズムの檻に自分でハマっちゃってて、ちょっとは自信つけようとしたのに逆に自分を締め付けてる感じ。結果、自己肯定感が急降下していく様はまるでバンジージャンプ。飛び降りたのにゴムひも切れてるんじゃ?って思うレベル。
どこまでも自分が空っぽな気がしてさ、新しいこと試しても、結局どれも「雰囲気だけ」な自分がいるんだよね。内面を磨けっていうのも分かってるけど、これがまた、筋トレで腹筋割るより難しい。でも、やめたら負けな気がして毎日チャレンジだけはしてるんだけど、成長してるのかは謎。ただ、家の中の観葉植物だけは相変わらず枯れてくんだよな。
それでも、「このままじゃ嫌だ!」って気持ちはまだ残ってる。これが最後の砦かもって思いながら、今日も新しい自分を探し求めてる。誰も知らない「自分だけの武器」がどこかに眠ってると信じたいんだけど、まさか冷蔵庫の奥のヨーグルトみたいに賞味期限切れになってないことを願うよ。