人生でいちばん買ってよかったもの。
それはずばり
矯 正 箸
です。
恥ずかしながら、二十歳過ぎくらいまでお箸の持ち方が劇的に間違っていました。
(祖父母は正しい持ち方やけど、両親は”正しい風間違った持ち方”の箸の使い手で、おかげさまで娘全員間違った持ち方になっています。いやはや。)
親のせいしたいところですが、まあ自分で直そうともせずそのまま生きていました。
「劇的に間違った持ち方やけど、まあ独自の方法で使いこなして食べてるし、大丈夫!いける!」
という、謎の強気マインドでいってました。
はい、完全に怠慢です。
周りに指摘されることもありながらも、あんまり気にしてはいなかったものの、二十歳を過ぎると
「うん、やっぱり自分のお箸の持ち方って、我ながらけっこうヤバいかも。」
そんなふうに自分の中で日頃から少しずつ気になる頻度が増えました。
内心なんだかちょっと恥ずかしい気持ちもありました。
そんなある日、わたしは矯正箸と出会うのです。
23〜24歳くらいのときやったでしょうか。
母とふらっと寄ったホームセンターで出会いました。
ホームセンター内をうろうろ。
たまたま食器やら置いてあるゾーンに入り、すみっこにあった矯正箸が目につきました。
わたし:「へー、矯正箸やってさ。これでほんまに直るんかな」
母:「1,000円くらいやし、試してみたら?」
「あんたの持ち方が姉妹の中でもいちばん酷いもんね(笑)」
わたし:「ほなやってみよか~」
そのままカートに矯正箸をひとつ。
そこから矯正箸との生活が始まりました。
持ち方は至ってシンプルです。
なにやら輪っかみたいなものが付いているので、そこに指を入れて、正しい持ち方に手と指をセッティングするという仕様。
最初はなかなか慣れへんかったように記憶しています。
まあなんせ持ちにくい!
持ちにくいったらありゃしない!
(そりゃそうやん、こないだまで劇的に間違った独自の持ち方しててんからっていう)
とにもかくにも、家と職場と食事のときは必ず矯正箸にして訓練しました。
そしたら、やっぱり人間不思議なもので、だんだん慣れてきて普通のお箸でも正しく持てるようになってきたのです。
そしてついに、
わたしのお箸の持ち方は、すっかり生まれ変わったのです!!(歓喜)
3ヵ月くらいかかりましたでしょうか。
いやあ、長い道のりやった…。ビフォーアフターの曲流したいくらい感極まったもんです。(なにを大袈裟な)
でも、とにかくうれしかったことと、
なによりも驚いたのが、
「え、正しいお箸の持ち方って、めっちゃくちゃお箸使いやすい!!!」
もうこれに尽きますね。
日本人すごい、素晴らしい。
お箸を考えついた人って、いったい誰なんでしょうか。
もっと早くから直しておけばと思いましたが、まあ今日がいちばん若いとかいうし。うん。
遅ればせながら直ったは直ったし、良しとしよう。うんうん。
よぉあんな持ち方で生きてたなってくらい元の持ち方が酷すぎたせいで、
今や食事やら料理がずいぶん快適になりました。
それから十年弱経ちますが、今も正しくお箸を持っています。ありがたや。
わたしが効果を実証したこともあり、その後家族が使ってみたものの、誰一人成功せず。
挙句の果てに妹がチャレンジしたときに、何がどうなってしまったのか、割れて大破してしまい、悲しき末路を辿ったのでした…。
今は亡き矯正箸ですが、あれはほんまに人生でいちばん買ってよかったです。
みんなに配り歩きたくなるくらい、よかったです。
どんな高い物よりも、ほんまにいちばんいい買い物やったなあと、何年も経つ今でもときどき思うのでありました。
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