初めての本屋さん出店の日
2018年10月20日。
糸波舎という、小さな小さな本屋さんが始まった。
長野県は長野市、善光寺の門前町にある大福屋さんという喫茶店。
そこで行われた秋の大福屋古本市に出店し、糸波舎はわたしのぼんやりとした空想からこの世界へ、ふわりと羽ばたいていった。
夢みたいな一日だった。
好きと心地いいが、柔らかに目の前の人を包んでゆくのを感じた。
あたたかな温度が、じんわりとのんびりと広がりゆくのを感じた。
ずっとやりたかったことはこれだったんだと、すとんと腑に落ちた。
たったこれっぽっちの小さな本屋。
これまで選んできた、好きと心地いいが詰め込まれた本たちを手に取り、共鳴してくれる人たちがいた。
部屋の本棚で息をしていた愛する本たちは、次の人の元へと、優しい気配を放ちながら旅立っていった。
楽しい交換こって、とってもすてき。
お客さんは糸波舎から、ちょっとしたときめきやハッピーを持ち帰ってゆかれて。
わたしはお客さんから、あったかいぽかぽかの言葉や気持ち、少しのお金をいただいて。
それはものすごく、豊かなやりとりだと思った。
そういう穏やかな循環を、これからも続けたい。
これはちょっぴり秘密の話だけれど、糸波舎の根本にあるのは世界平和。
この地球に生きるすべての命たちが、しあわせであり続けられるように。
こつこつ、だんだん、できることを少しずつ。
ゆったり、じわじわ、ふと広まってゆくように。
今はまだ小さな小さな本屋だけれど、これからだってきっと小さな小さな本屋だけれど、ぽっと灯ったあかりを、いつもいつまでも大切に育めたなら。
初めての本屋さん出店はひたすら、楽しくて、嬉しくて、しあわせで。
これからも心地よく、できるだけ長く、糸波舎を続けてゆくことにした。
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