後の祭りすら来ない。

雨を受け流して自転車を曳いた。
境内をひたすらに、

階段の下に自転車は置き去って

何度も繰り返した妄想を何度もかみながら
階段を鳴らした。

ここで告白するつもりだったんだよななんて考えながら
社を見渡して
今更雨を避けるように屋根下に入った。

さっきおじさんにもらったカステラを食べながら少し考えて
腕をまくって階段を駆け下りた。
「おじさん、手伝うことある?」

カスタードの黄色い甘さが青い寒さには暖かった。


然有琉 湊(さあり みなと)

<あととがきー<
青春の泡色

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