見出し画像

『ぼくのお日さま』を観た。

Filmarksで当選したジャパンプレミアで
公開前の『ぼくのお日さま』を観ました。
もう公開されてるけど、
観たのは8月19日。

あらすじ:
吃音をもつホッケー少年・タクヤ(越山敬達)は、「月の光」に合わせフィギュアスケートを練習する少女・さくら(中西
希亜良)の姿に、心を奪われてしまう。
ある日、さくらのコーチ荒川(池松壮亮)は、ホッケー靴のままフィギュアのステップを真似て何度も転ぶタクヤを見つける。
タクヤの恋の応援をしたくなった荒川は、スケート靴を貸してあげ、タクヤの練習をつきあうことに。しばらくして荒川の提案から、タクヤとさくらはペアでアイスダンスの練習をはじめることになり.......。

わたしは定期的にこういう綺麗な物語を
観てしまうんだよなぁ。
自分にはもう思い出せないような
綺麗で、まっすぐで、純粋な物語。

淡い色合いと美しい映像たちと
氷上での素敵な音たち。
凍った湖を滑るシーン、
あれほど美しいものはないし
あれほど幸せな空気感はない。

光の差し込み方が
とても綺麗なスケートリンクだった。
明らかな明暗が目に見える。
ほのぼのとした雰囲気から
少しずつ雲行きが怪しくなっていく。

どうして理解されないんだろう。
何がいけなかったんだろう。

池松くんの煙草映画でもある。
池松くんと若葉さんの2人の喫煙シーン、
とてもとてもよかった。

「わかったから、もう寝よ」

言葉がつかえるはずなのに
伝える選択をとらない大人たちと
言葉が自由に出てこないけど
どうにか気持ちを伝えようとする少年。
まっすぐに恋をする、ということ。
何も知らない方がいい。
美しすぎて、苦しかった。

ぼくはことばがうまく言えない
はじめの音で
つっかえてしまう

だいじなことを
言おうとすると
こ こ こ ことばが
の の のどにつまる

こみあげる気持ちで
ぼくの胸はもうつぶれそう
きらいなときはノーと
好きなら好きと言えたら

ハンバート ハンバートの
『ぼくのおひさま』。
この歌を聴いて、
書きかけのプロットが
変更になったって監督が言ってた。

この映画の観賞後に流れる音楽は
確実にこれじゃないと成立しない、
というくらいには流石にぴったりで
それがまたとてもよかった。

本当に綺麗だった。
気持ちを素直に伝えようとすること、
本当に素敵。
でも、
もうわたしにはできない。
わたしには思い出せない。
苦しい。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集