見出し画像

想像していなかった未来。

想像なんてしてなかった、
想像なんてできなかった、
わたしが30歳になるなんて。
30歳をこんなに贅沢に迎えるなんて、
『奇跡』なのかもしれない。
わたしに起こった想像していなかった未来。


約半年前の5月6日未明、
わたしはこの世から消えようとしていた。
ちゃんと準備をしていた。
どうやって消えるのがいいのか調べて、
もう着ることがないであろう冬服を捨てて、
ある程度の部屋の掃除をして、
壁に貼ってたすきなバンドマンたちから貰った
セトリの紙たちを全部剥がした。
それらはどうしても捨てられなかったけど。
伝えたいことがあるひと3人に向けて
手紙なんかも書いてみたりして、
死際に聴きたい音楽のプレイリストなんかも作って
どの曲を聴くのが最後になるかななんて考えたりして、
数週間かけて準備をした。

だいすきな友だちを、
愛していた友だちを失って、
自分の中の感情たちも失って、
生きてる必要性も失って、
全ての希望を失った。

友人を病で亡くしてからも
毎日電車で泣きながら仕事に行ってた。
どうにか過ごしていたと思う。
そんな中で仕事で大きな異動があって、
職場のお局様に目をつけられて、
座ってるだけで目眩がしたり
手の震えが止まらなかったり
とにかく生きているのが
嫌になってこわくなっていて、
鬱病と言われる状態になった。

毎日毎日夜が来るのがこわくて
涙が止まらなくなって
眠れなくなって、
「しにたい」という感情しか浮かばなくなった。

最後の日に選んだのは好きな音楽たちを
全身で浴びれる某野外フェス。
朝から夜までしっかり音楽を浴びて、
好きなバンドを最前で見て、
ちゃんと見てたよかっこよかった〜て、
ちゃっかり直接伝えたりしちゃって、
(電話くれるとは思わなかった)
今年最初で最後の花火を眺めた。

なのに、わたしはいまnoteを綴っている。

目が覚めたら知らないおじさんたちに囲まれてて
泣いてる母が近くにいて、
あーあ、失敗しちゃったのかと思った。
眠剤なんて量を飲むものではない。
いつ落ちるかわからないんだから。
わたしはどんなときもぽんこつだ。

頭が覚めた頃にiPhone開いてみて、
画面に写っていたのは、
『死際』プレイリストの中の1曲、


だいすきな友だちのだいすきな曲、
いちばん思い出が詰まったandropのHikariだった。
あの子にこっちはまだはやいよ!生きろよ!て
言われてるのかと思っちゃった。

こんな経験を経て、
社会復帰なんてできるのかと思ったけど
どうせならやってみたかったことをしようと思って、
いろんな思い出があるライブハウスに応募して
なんとなくアルバイトを始めて、
とんとん拍子でなぜか2ヶ月半後に社員枠採用になった。

すきな場所で毎日違う音楽が鳴っている職場、
たまに好きな音楽を聴ける職場で
いま、わたしは仕事をしている。

とてもとても優しいギャラリーに出会えて、
淡く抱いていた写真展示も叶えてしまって、
本当に訳がわからない。
想像を遥かに超えて生きている。

そして先月、30歳の誕生日を迎えた。
誕生日を迎えた瞬間まで、
好きなバンドのギターの音が鳴ってた。
とてもとても好きなバンドマンに、
演奏終わりすぐ「おめでとう」と言ってもらえた。
たくさん、たくさん、言ってもらった。
セトリの紙もいつも通りくれたけど
そこにもたくさんおめでとう書いてくれてた。
出番終わって朝まで時間があるからって、
一緒にお酒も飲みに行って
しょーもない話まで一緒にできて
贅沢すぎちゃったな。

こんなことになるなんて
半年前のわたしには想像できなかった。

この『想像していなかった未来』という
テーマがなければ改めて綴るつもりはなかったけど、
たまたま目にしてしまったので綴ってみた。

生き延びてしまったのだから、
まだ生きてるのだから、
わたしに関わるひとみーんなに幸あれ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?