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『明け方の若者たち』を観た。


2021年12月31日、大晦日遂に公開。

「私と飲んだ方が楽しいかもよ笑?」
その16文字から始まる沼のような5年間。
東京・明大前で開かれた学生最後の退屈な飲み会。
そこで出会った<彼女>に、一瞬で恋をした。
下北沢のスズナリで観た舞台、高円寺で一人暮らしを
始めた日、 フジロックに対抗するために
旅をした7月の終わり・・・。
世界が<彼女>で満たされる一方で、
社会人になった<僕>は、 〝こんなハズじゃなかった人生″に打ちのめされていく。
息の詰まる会社、夢見た未来とは異なる現実。
夜明けまで飲み明かした時間と親友と彼女だけが、
救いだったあの頃。
でも僕は最初からわかっていた。
いつか、この時間に終わりがくることを…。
リアリティが胸に迫る
カツセマサヒコ、鮮烈のデビュー作


Twitterでの“妄想ツイート”が話題となり、140字で人々を魅了し続け獲得したフォロワーは14万人以上。10〜20代から圧倒的な支持を獲得した作家、カツセマサヒコのデビュー作『明け方の若者たち』(幻冬舎)が北村匠海主演で映画化。
飲み会で<僕>が一目で恋に落ちる<彼女>を演じるのは、2022年放送開始予定のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』でヒロインを務めることが発表されたばかりの注目の女優、黒島結菜。“LINEよりも手紙が似合いそうだし、パスタよりもそばが似合いそう”な<僕>のタイプドストライクの、魅力と美しさを兼ね備え、恋と仕事、そして秘密をまとった<彼女>を自然体で演じきる。
そして、新入社員の<僕>の同期で後に親友となる<尚人>役には、数々のドラマや映画で活躍の場を広げ、実力をつけている人気急上昇中の俳優、井上祐貴を抜擢。高いポテンシャルと意識を持ち優秀であるにも関わらず、希望とは程遠い部署に配属される<尚人>。同じく現実と理想のギャップに悩む<僕>を近くで支えていく。

まずは、だいすきな小説が映画化されて
全国公開したことに対しての感動の涙。
カツセさん、本当におめでとうございます☺︎
マカえんが主題歌なのも嬉しい。
どう考えても『ヤングアダルト』なのだから。

これは原作を好きになり過ぎた故なのかもしれないけど
この「映画」については低評価ボタンを押したい。
原作を読んでいない人が観たら
ただの身勝手な女とそれに振り回される男の話。
もう少し、CMのように語りを入れてくれれば
そんな感想は防げたんじゃないかと思ってしまう。

ラブホテルは103号室が良かったし、
社内での事件はもっと説明ほしいし、
尚人の台詞、
「人生は、打率では表さない」のくだりも、
「恋人と別れて一番つらいのは、
 相手が次にどんな人と付き合っても、
 文句を言えないことだよ。
 現にお前は、あの子の夫に対して、
 何も言う権利がないだろ」のくだりも、
「良いお年を!」のくだりも物足りないし、
そこの場面はもっともっと…
もっと大切にして欲しかったなぁと。

何よりも、いちばんすきなやりとり。

尚人「花火を見てるとき、
   大人が子供ほどはしゃがないのは、
   なぜか知ってる?」
僕 「わからん。なんで?」
尚人「いつか誰かと見た花火を、
   静かに思い出してるからなんだとさ」
僕 「あー、なるほどね」

ここが映像化されることを楽しみにしていたから
なんだかやるせない気持ちになった。

1月8日(土)からスピンオフが公開される。
『幻の一章』に書かれていた"彼女"の物語。
きっとこれを観た人には、
彼女がただの身勝手な女ではないことがわかるはず。
撮影現場では、"彼女"と"夫"が名前で呼び合いながら
撮影を行なっていたらしい。
(カツセさんは名前を付けることを嫌がってた)
名前の由来はパンフレットに書いてあったけど、
これはパンフ見た人の特権だ。

はぁ、原作が好きすぎると
こんなに弊害が出てくるんだってことを
初めて味わいました。良い経験。
きっとこの先、
ここまで沼る小説には出会えないだろうなぁ。

「花束みたいな恋をした」
「ボクたちはみんな大人になれなかった」
この2つと一括りにされてしまうのは悲しい。
他所は他所。うちはうち。
全く違うものだし、同じものとしては見て欲しくないなぁ。

何者にもなれない自分が
また、嫌になる。

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