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談山神社・神の森を守る大和の古社
談山(たんざん)神社は1300年以上の歴史があり、教科書で習った「大化の改新」で有名な、藤原鎌足がご祭神という神社です。(奈良県桜井市多武峰に鎮座)
神社裏山の談山は、645年に中大兄皇子と中臣(のちの藤原)鎌足が大化の改新の策を練っていた場所。
正直、中臣鎌足、中大兄皇子、大化の改新を思い出そうとしながらお参りしていてましたが、結局帰ってから調べました。(日本史を知らなさすぎ!)
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今回は梅雨の晴れ間で急に出かけることに決めたので、JR桜井駅から終点までバスに乗っているだけで、お山にある神社までたどり着けそうだったから、という好奇心だけ。
でも予想以上に素晴らしい場所だったので、驚きました!
2017年にJR東海のCMに使われ、その美しさで一躍有名になっていたそう。
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調べてみた歴史をまとめると・・
飛鳥時代(622年)に聖徳太子が亡くなったあと、蘇我蝦夷・入鹿父子が天皇をしのぐ権力を握ってしまったので、中臣鎌足は再び国をまとめる天皇候補として中大兄皇子を選び、協力して蘇我入鹿を討伐したそうです。
蘇我氏はその前に、対立した崇峻天皇を暗殺していました(天皇が家臣に殺害された唯一の事件)。
そして聖徳太子とお妃が1日違いで、天然痘で亡くなったことになっていますが、こちらにも暗殺疑惑があるようです。(のちに聖徳太子の息子一族を滅亡させたため。)
また歴史背景としては、東アジア(唐・新羅など)の勢力が強くなっている中で、天皇を中心とした強い日本を作りなおすために、強引なクーデターともいえる大化の改新を実行し、政治改革が必要だったということです。
668年に中大兄皇子は即位して天智天皇となり、翌年鎌足が亡くなる前日に病床を見舞い、藤原の姓を授けたそうです。(のちに貴族として繁栄していく藤原家の始まり。)
昔すぎて真実は誰にもわからないですが、かなり不穏な時代だったんですね。
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お寺のような雰囲気もある談山神社ですが、もとは「妙楽寺」というお寺で明治の神仏分離令から廃寺となり、現在の神社となった経緯があったそう。
当時の仏像美術品はほとんど失われ、如意輪観音像のみが奇跡的に残っているようです。
撮影OKなのかわからなかったので、写真はこちらから ↓
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家に帰ってきてから録画していたNHK 美の壺『和楽器』を見ていたところ、まさにこの本殿前で鼓演奏を撮影してました!
室町時代からの芸能発祥の地らしく、2019年には野村萬斎・裕基親子による能舞台の奉納もあったようです。(観に行きたかった~!)
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この神廟拝所前の『けまり広場』では、春と秋に蹴鞠祭りが行われるそう。
鎌足と中大兄皇子が蹴鞠をきっかけとして出会ったことから、通常でも予約をすれば、けまり体験や装束着付け体験ができるようです。
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ここまで来た時、急に空気が変わったのでびっくり!
見ると『パワースポット』の看板があり、古代信仰の霊地のようでした。
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きれいなお水と一緒に、山の上から霊気が吹き降りてくる。
あとで調べてみると神社がある多武峰(とうのみね)は、神の森だったようです。
古代の人々がここで、神さまを感じた気持ちが少しわかった気がしました。
宮司さんが神社と多武峰について、説明されているページを見つけました ↓
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古代からここは人を寄せつけない聖地だったため、鎌足と中大兄皇子は身を隠し蘇我氏討伐の密談を交わしたそうです。
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御破裂山のほうにも登ると、鎌足の墓所があります。
(この時はあまりにも知識不足だったので、次回にすることに。)
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先ほどの龍神社から流れる霊水は、下の閼伽井屋まで流れていました。
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中にある井戸で鎌足の長男定慧和尚がお経を読んだ時に、龍神さまが出現した伝説が残っているそう。
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帰りのバス時間を見て1時間滞在の予定が、かたらい山まで登ってしまったのでランチも食べることにしました。(お昼はバスが休止のため、結局3時間滞在!)
境内に昨年できたばかりの『かたらいの社』で、カレーをいただきました。
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神社を出たところのお店でも、ランチを食べることができるようです。
そちらではおいしいお団子を、おみやげに買って帰りました。
紅葉の時期にはライトアップも行われるそうなので、次回は秋に訪れたいと思います。
このあとは同じバス路線(多武峰街道)沿いの、初代天皇・神武天皇の祭事場所がある等彌神社に寄りました。
奈良にはまだまだ、すごい場所がいっぱいありそうです!
《おまけ》
今回調べていて初めて知ったのは、神奈備という言葉。
神奈備(かむなび・かんなび・かみなび)とは、神道において、神霊が宿る御霊代・依り代を擁した領域のこと。または、神代として自然環境を神体とすること。
神が「鎮座する」または「隠れ住まう」山や森の神域や、神籬・磐座となる森林や神木や鎮守の森や神体山を、また特徴的な岩や滝がある神域などをさす。
神籬と磐座の総称でもある。
依り代となる森林や岩などがない「神奈備野」もある。
清らかさを感じる場所には、神社仏閣が建つ前から既に古代信仰があり、自然崇拝をしてきた日本の信仰の原点だったのかもしれません。
また行きたいと感じた場所は、まさに磐座・ご神木・聖水がある神奈備でした。
私の場合ご利益やお願いごとでお参りするというよりは、気持ちの良い神さまの風が吹く『神奈備探し』が、やめられなくなっているとわかりました。
(森林や岩がない「神奈備野」は、例えば熊野本宮の大斎原?)
ただ相性があるかもしれないので、それぞれの心地良い場所を探すのが一番かもしれません。
有名な場所でなくても神奈備は日本のあちこちに存在し、実はこの小さな島国そのものがパワースポットなのかも。
この次に訪れた、同じ多武峰街道沿いの神社 ↓
古代史を学び直す旅へ ↓