シェア
九葉
2020年5月13日 10:38
如意宝珠の花茎伸びゆき白露は風に散りおち石に留まる 九葉9/29.2019 この地域の山に自生する原種のギボウシの花が咲いている。うちに住まう他のギボウシは国産、逆輸入タイプに関わらず初夏から夏にかけて花を付けるが、これは決まって晩秋につける。ほんの一握りの小さな株だったのが、場所が気に入ったのか大きく育ち、毎年幾本もの薄紫の花穂を上げる。茎の節々に残るのは花の痕。ギボウシは花茎を次々
2020年5月13日 10:55
黒黒と窓枠の翳沈みをり耿耿と照る黄葉をきき 九葉12/2.2019部屋に戻ったら、部屋が黄葉していた。北側の山。山椒、犬枇杷、流れる様な線の名も知らぬ灌木。犬枇杷(イヌビワ)は盆栽などに仕立てられる事もあるというが、樹形は乱れてけして美しくはない。黒い果実は小さな無花果の様な味がして鳥もよく食べに来る。(イチジク属)そしてその種子の発芽率と活着率は高いようで、そこら中がこの植物で満ちて
2020年5月13日 10:52
11/27.2019 この辺りの山に咲く花で一番好きなのが独活かもしれない。毎年同じ仄暗い場所にしめやかな葉を広げ愛らしいつぶつぶの花をつける。これは近くの谷のなだらかな山の裾野を流れる清水の崖に毎年咲く。家の庭にも植えているけれど、こんなに繊細な枝振りにはならない。きっと痩せ地。岩の隙間に根を張り体を支えているのだろうと思う。そして太陽に手を伸ばすために空中に張り出す。しばらく見に行って
2020年5月13日 11:00
12/25.2019 毎日幾度となく通るような近所をさんぽに歩くわけだけど。ここにこんなに大きな紅葉の木があったなんて。いままで気づかなかった。地盤が硬いが水はあるのか日陰だからか。線の細い木。枝よりも葉の方に重さがあるようで枝垂れている。本来、もみぢ、とはこういう木なのだろう。剪定はなくても誰よりもそれらしい枝ぶり。昨日みたらもうすっかり散っていた。いまはもう見えないけど確かにあったもの
2020年5月13日 10:46
9/18,2019 擬宝珠や整い並ぶ薬師院庭薄葉の萌黄冬天に向かう 九葉ギボウシは単子葉類。単子葉類というのは葉が独特で、直線的で美しい線をはじめから終わりまで葉表に描いていて、いったい誰がこんなに優雅な線を描いたんだろうとじいっと見ずにはいられない。株の姿はなんとも不思議で、そうしてできた平たい葉を順番に下からぐるぐると重ねていき、中世のドレスのスカートのようにふんわりと形作る。いい