九葉

日本画・天然染料・顔料による伝統染色技術での作品製作。印金技法。短歌など。Artist,Japanese-style Painter and Natural Dyer(traditional techniques) Based in Nara, JAPAN

九葉

日本画・天然染料・顔料による伝統染色技術での作品製作。印金技法。短歌など。Artist,Japanese-style Painter and Natural Dyer(traditional techniques) Based in Nara, JAPAN

マガジン

  • 社会の中のあれこれ

    暮らしていて社会のあれこれに疑問を持ったことや、考えたことのアウトプットを試してる。

  • 暮らしの形

    田舎での暮らしと仕事の場での思い。

  • 植物

  • 外出

    工芸関係のおでかけや趣味の勉強会の記録

最近の記事

美味しいということ

今夜くらい、世界の平和を祈る日もない。 薄いヒラヒラした襞の重なる殻付き牡蠣、緑果搾りと名付けられた光るオリーブオイル、どこか遠くで丹精に作られた大蒜。大分のカボス。海の向こうから家族が連れ帰った、とても精巧でたいそう頑丈な大蒜専門の搾り機で大蒜をジュー絞る。一つ一つが楽しみな時間。皆さん有難うございます♡︎なんて美しくて豊かな食事。 : はだしのゲンを教科書から無くそうと政府は言っているらしい。こういう旧村の美しい家並みの田舎で暮らしていると、全く戦後都市部に立ち並ん

    • 鮒鮨

      2022/7/21 大見 先日、大見という場所を訪ねてきました。二年前その京都の奥に美しい場所があると知って以来ようやく。折しも鮒鮨を仕込むという絶妙なタイミング。熟鮓。塩漬けされた鮒を、誰も触れたことのない様な川の水で洗う。大きな羽釜で本物の炎で炊かれたお米を鮒にまぶして樽に漬ける。たったこれだけのことなのに何かとても神聖な食料を作っているような心持ちがする。祈るように大切に洗われる鮒。洗う鮒を流さないように掴む。 大見2. 鮒鮨として仕込む塩漬けの鮒は洗い終えると真

      • 政治の公約に本気の教育改革があがる

        「スウェーデンやデンマークを視察すると社会の主人公を育てることを教育の重要な柱にしていることがわかる。日本でも子どもの主体性を育む教育に向かうべきだ。」 「日本の詰め込み式の教育方法は世界から遅れを取っている。日本は資源がない。教育には予算と人を注ぎ込む必要がある。いま、教育のあり方を問い直す時。」 宇都宮けんじさんの言葉です。 宇都宮さんのZOOM会議。隠れ教育費の負担というテーマでしたが最終的には、教育は質であり、投資をすべきという結論をお話しになられ、ほんとうにそ

        • スーパーシティ法案

          5/20,2020 20:40改定 スーパーシティ法案とは、個人の暮らしの情報を政府に渡し国が一元管理。国は企業が営利活用することを許可するという法案らしい。 先日、Twitterを見ていたらスーパーシティ法案に関する件はデマだ、ロスチャイルドだ(いやじつはなんのことを言われているかよくわからなかったけど陰謀論って事?)という記事を見かけてしまったので.....それわたしがつくったバナー(涙)しょうがないのでここになにを参考にして作ったか書いときます。 このスーパーシティ

        マガジン

        • 社会の中のあれこれ
          5本
        • 植物
          5本
        • 暮らしの形
          1本
        • 外出
          8本

        記事

          600万ツィート

          5/11.2020 皆様おかわりありませんか。このところ、なんだかとても落ち着かない。仕事をどうするか。暮らしをどうするか。庭仕事をどうするか。何もかもが変わりはじめている。 先日、近くを散歩していたら、美しいハーブの花が一面に咲いていてあっと驚いた。ボリジ。誰かが植えて世話しているのだろう。折しもこの花はヨーロッパでは解熱に使われてきたという薬効のあるハーブ。 今は一番美しい季節。雨も少なく、天気もよくて。鶯が泣き、燕が飛ぶ中、何時もなら庭仕事に精を出している。しかし今

          600万ツィート

          東博

          1/4.2020 東博、東洋館=世界の神々の展覧、(高御座は80分待ちにつきパス)、松屋で利休、大倉集古館-能と吉祥文様、上野でゴッホ。 東博はさすがの品々(禅と水墨画のエリアのコメントも面白く) 利休のかたち展 初期の楽茶碗があって素敵だった。塗りでは黒地に赤の漆で大きな花文様が椀の蓋と身いっぱいに線描きされたものがあり、とてもおおらかな筆致はプリミティブな自然に対する記念日みたいなものを感じた。 解説には「一説には葛の花が描かれていると言われている」とあったけれど

          九条武子

          12/27.2019 昨日は弘道館で九条武子を読む会に。今回で三度目の参加。だいぶ前から知っていたのに、気後れしていたのが悔やまれる。三年ほども読まれていたそうで、遂にいま読んでいる『白孔雀』も終盤。 闘う女性。お歌も闘いの歌から優雅なものまで守備が広い。 太田先生のご配慮でお年越しの美味しいお菓子を頂戴しました。ふわりと柔らかな口溶け。 冬の海の波頭。泡沫の露をあしらったとか。水色の美しいこと。 この冬の海のお菓子が登場して、ご主催の先生が『白孔雀』から一つ紹介して

          九条武子

          もみじ

          12/25.2019 毎日幾度となく通るような近所をさんぽに歩くわけだけど。ここにこんなに大きな紅葉の木があったなんて。いままで気づかなかった。地盤が硬いが水はあるのか日陰だからか。線の細い木。枝よりも葉の方に重さがあるようで枝垂れている。 本来、もみぢ、とはこういう木なのだろう。剪定はなくても誰よりもそれらしい枝ぶり。昨日みたらもうすっかり散っていた。 いまはもう見えないけど確かにあったもの。 やまかげの紅葉の枝や滝の如 我にも聞こゆいりあいの鐘 九葉

          もみじ

          正倉院展と古刹で仏具磨き

          先日近くの長久寺薬師院の写経の日だった。ここは聖武天皇ゆかりという古い密教寺院で、美術的に美しい仏様などもあり参詣するたびに発見がある。だいたいにおいて、古代からここにあるというだけで驚く。 この年末最後の写経の日は、仏具磨きの日だから来るといいと何処かのおばあちゃまに誘っていただいて、出かける約束を果たしてきた。 仏具を皆で磨く。古くなった五色幕で磨く。陰陽五行の五色の布で拭くなんて、何か呪術をやっている気がしてくる。 : わたしの好きな鈴と香炉。 今年の正倉院展で

          正倉院展と古刹で仏具磨き

          黒黒と窓枠の翳沈みをり耿耿と照る黄葉をきき 九葉 12/2.2019部屋に戻ったら、部屋が黄葉していた。北側の山。山椒、犬枇杷、流れる様な線の名も知らぬ灌木。 犬枇杷(イヌビワ)は盆栽などに仕立てられる事もあるというが、樹形は乱れてけして美しくはない。黒い果実は小さな無花果の様な味がして鳥もよく食べに来る。(イチジク属) そしてその種子の発芽率と活着率は高いようで、そこら中がこの植物で満ちていく。葉は大きく青々とし、美しいと思うこことも多いが、やけに増えるので邪魔に思う

          ウドの花

          11/27.2019 この辺りの山に咲く花で一番好きなのが独活かもしれない。毎年同じ仄暗い場所にしめやかな葉を広げ愛らしいつぶつぶの花をつける。 これは近くの谷のなだらかな山の裾野を流れる清水の崖に毎年咲く。家の庭にも植えているけれど、こんなに繊細な枝振りにはならない。きっと痩せ地。岩の隙間に根を張り体を支えているのだろうと思う。そして太陽に手を伸ばすために空中に張り出す。 しばらく見に行ってない。どうなってるかな。

          ウドの花

          別のギボウシ

          9/18,2019 擬宝珠や整い並ぶ薬師院庭薄葉の萌黄冬天に向かう 九葉 ギボウシは単子葉類。単子葉類というのは葉が独特で、直線的で美しい線をはじめから終わりまで葉表に描いていて、いったい誰がこんなに優雅な線を描いたんだろうとじいっと見ずにはいられない。 株の姿はなんとも不思議で、そうしてできた平たい葉を順番に下からぐるぐると重ねていき、中世のドレスのスカートのようにふんわりと形作る。 いい形になったなと思っていると、ある日突然中央部から花穂を立ちあげはじめる。花茎は次

          別のギボウシ

          秋の夜

          10/13,2019 秋社の夕 辻々を行く御神灯 月と並びて我照らしをり 九葉 今日は宵宮。旧村の秋祭りの日。辻々に大きな提灯が上がる。御神灯・みあかし。この提灯、なんと光源は蝋燭。はじめ、ちらちらと揺れるのは電気の配線が接触不良を起こしているに違いないと思った。それにしても自然な蝋燭風の色だなと思って下から覗き込むと、本物の蝋燭の灯が揺れている。わずかに風が入るらしく、炎が揺れるのだ。 提灯の表は和紙で、そして黒い部分は漆の様に思う。カシュー漆かもしれないが、本漆かもし

          ギボウシ

          如意宝珠の花茎伸びゆき白露は風に散りおち石に留まる 九葉 9/29.2019 この地域の山に自生する原種のギボウシの花が咲いている。うちに住まう他のギボウシは国産、逆輸入タイプに関わらず初夏から夏にかけて花を付けるが、これは決まって晩秋につける。 ほんの一握りの小さな株だったのが、場所が気に入ったのか大きく育ち、毎年幾本もの薄紫の花穂を上げる。茎の節々に残るのは花の痕。 ギボウシは花茎を次々と伸ばし、花を落としては先へ先へと伸びていく。皆散り終わると、じきに霜が降り始め

          ギボウシ

          柿渋

          渋柿が友人の山にあって、採ってもらった。奈良は渋柿の産地で、柿渋もたくさん作られている。柿渋やさんが使う渋柿と同じもの。砕いて発酵させて染料にする。 9/16(月)袋に入れて叩いて大まかに砕く。砕いたものをハンドジューサーでクラッシュする。水なし。 9/18(水)泡が立って発酵してきている。匂いはまだ無い。 茶色くなっているのは、植物が傷つくと出すタンニンの色。青柿はタンニンをたくさん持っている。 出来上がるのは一年後。 (この記事は2019年9月18日にFaceb

          三五夜『五味六国の聞香茶会』

          白月の三五夜にきく伽羅香の火の呼び醒す異国の記憶 九葉 白居易の詩句に因んで名を付けられておいでの(そうでしたよね?)風雅な三五夜さん。遠く離れた旧友を三五の月に思っているという詩句がぴったりの温かいお人柄の黒田さん。そのお人柄と新しい試みに惹かれて沢山の皆様が集われる三五夜さんは一周年を迎えられ、記念の聞香茶会がありました。三五夜さんは、奈良に新しくできた伝統を体験するサロンのようなところです。 三 五 夜 中 新 月 色 二 千 里 外 故 人 心 白居易 ちなみに

          三五夜『五味六国の聞香茶会』