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2018年6月の記事一覧

屋上

形而下ではあなたの姿は少女であって
少女の声をし
意味深な言葉を投げかけ
俺を揺さぶっている。

屋上。

夕暮れの音楽が流れて
夕暮れの絵が書いてあって
あなたの影が伸びているから
俺は聴覚と視覚以外であなたを感じることはない。

形而上ではあなたの姿はおっさんかおばはんの姿であって
素敵な想像で俺を揺さぶっている。

こんな破れかぶれの想像が
ノスタルジックに響く、
部屋はまた
ペケのボタンを

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162の月

僕は月が好きなんだけど、僕の世界には月が162個もあるから、よくなくなったり増えたりして、いま数えてみたら月は168個でした。6個も多いってどうなの。だれが162個を基準にしたんだろう。だからこの世界のひとは月にそこまで愛着がありません。だから君の世界はいいですね。月がひとつで。

本当の意味で

僕ときみは違う人間で
おなじ言語をしゃべっているけど
やっぱりどこかすれ違うことはあって
だからわかり合いたくなるのだけど
どれだけ言葉を尽くしても
僕ときみには距離があるから
きみが感じたその気持ちについて
僕は、いいね、とか、わかるよ、とか、好きだよ
とか言うのだけれど
本当の意味で僕はわかることができないよ。
それでも、だからこそ言葉があって
言葉をうまく尽くして
本当の意味でわかりたいって

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ポエジーの詩

負けるだろう
あらかじめ宣言しておきます
これは詩人としての宣言です
私は負けるだろうと思いながら詩を書いている

プラスチックの破片が並んでいる
(そんな迂遠に言わなくてもキーボードと言えばいいのに)
詩人はそれを指先で押し込んで詩を書いていくのだ
パソコンくんは「あ」という言葉を数字で理解している
1000001010100000
だから本当はこのモニタの裏にはたくさんの0と1しかないはず

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草原

あの空もあの草原も
うちの言葉では青といわれている
その中心に太陽の光をはねかえす
麦わら帽子と
脚のほそい少女があった
白いワンピース
それだけが
僕たちの世界だった
干したての
布団みたいな想像だ