メタバースとは何か~ネット上の「もう一つの世界」~/岡嶋 裕史
・正の側面があれば必ず負の側面も現れる
・単に静観して享受するだけでは、お金や時間、人生を搾取されてしまう可能性もある
・コト消費はコピーされにくい
・コピー可能なもの、特にデジタル技術でコピー可能なものは、あっという間にオリジナルと同じ品質のものがタダ同然で流通してしまうので商売にならない
・握手をするたびにちゃりんちゃりんとお金が落ちてくるならば、手の数は多いほうがいい。1人の人間が単位時間あたりにできる握手はたかがしれているが、それが 46 人だったら、 48 人だったら。マネタイズポイントを複数化することができる
・モノや概念に名前がつくことで、そのモノの使い方や概念の運用が決まることは多々ある
・メタバースは仮想現実なので、現実ばなれ(リアルばなれ)した「都合のいい世界」 を作ることができる
・自由を獲得すると、もれなく責任がついてくる。能力や資源に恵まれた人はいいのだけれど、そうでない人にとっては自由はけっこうしんどい
・SNSはよく、友だちとつながるネットワークと称されるが、実態としては つながりを絶って人を囲い込む技術 だ。小さな空間に同じ属性の人を閉じ込めて、世界を作るのである
・見えないことは存在しないことと同義
・寛容はあらゆる行為の中で最も能力と資質、努力を要求するもの
・人の手持ちの可処分時間を考えれば、SNSはもっと人から時間を奪える可能性がある
・好むと好まざるとにかかわらず、多くの人がメタバースに回収される未来は近づいている
・自分が世界に対して予感したことを探索して、それに見合った発見と体験が与えられることは純粋に喜びである
・すでに答えの出てしまった他人の行いや選択をなぞるように生きることに楽しさはない。でも、楽である。効率もいい
・人は代替がきかないオリジナルにはお金を払う
・人は理念だおれのものに大金を投じたりしない
・世界である以上、平等ではない
・人間の欲求は太古からそんなに変わっていない。安全や安心を願い、居場所の確保と賞賛を望み、世界に爪痕を残したいと企てる
・高い目標やビジョンを示せば、それに共鳴した人々が必ず高度化や普及の手助けをしてくれる
・誰にも評価されずに生きていけるほど強い人は少ない
・SNSは友だちとつながるサービスではない。合わない人を切り捨てるサービス
・大きな母集団の中から、 軋轢 を生まない人だけを抽出して、快適な閉じた空間を演出することにこそ、SNSの価値がある
・自由が実現した社会で、個人の決定にはとても価値がある、自分の頭でものを考え、決め、実行しなければならないと促す圧はとても強い
・現代は、衝突が起こりがちなのに、衝突を容認しない社会である
・価値観の多様化した社会では、誰かの正義は誰かの不正義であり、正義を実行する者はその正しさの安心感で、誰よりも残酷なことができる
・多様化した考え方のぶんだけ正義がある
・SNSの「いいね!」やショッピングサイトへの低評価レビューという、いくらでもダブルカウントがきく不確かな数を根拠に民意が形成されていく
・若年層の情報摂取行動は、検索から通知へと大きく変容している
・何かが流通するとき、その全体を 俯瞰 し、管理する立場にある者や企業は大きな利潤を得る
・今のインターネットシーンでは誰もが誰かに依存している
・SNSで人は情報を共有しましたが、メタバースでは体験を共有することになります
・多様性を受け入れるとは、他人の地獄と向き合うこと
・多くのメタバースが乱立してインフラになったとき、そこに社会が成立する
・ちょっと想像しただけでも、まだまだ私たちが考えねばならないこと、考えるべきこと、考えてもよいことが残されていて、わくわくします