【読書記録】2024年3月31日〜4月6日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
せっかく桜が咲いたってのに、天気は曇り、そして雨。
今週半ばまではこんなはっきりしない天気が続くみたいだし。
台湾でも大きな地震が起こって、いったいどうなってるんだろう地球。
それにしても台湾の被災者支援の早いこと。地震から数時間で個室のテントがいくつも設営されたとか。日本の政治家の皆さん、裏金づくりに奔走している場合じゃないですよ!!
なーんてね。
では、今週出会った本たちをご紹介!
【2024年3月31日〜4月6日に出会った本たち】
⚪️夜明けのすべて
【感想】
うわぁっ!なんて温かくて優しい物語なんだろう。まるで春の日差しのようです。
PMS(月経前症候群)で自分の感情を抑えられない美紗。パニック障害の山添。そんな二人は栗田金属という小さな会社で出会います。
お互い自分のことは見えないけれど、他人のことはよく見えます。そんな二人を理解し、包み込み、支えてくれる栗田金属の社員たちの寛容さ。
この会社のモットーが「今日も、無理なく、怪我なく、安全に」というのがまたいい。
障害や病気を抱えながら生きるということ、それを見守り支えるということを考えさせてくれる、とても素敵な物語でした。
よくある病気+恋愛モノでないのが心地よい。
⚪️ディープフェイク
【感想】
コレは怖い!
テレビの教育番組にも出演する「鉄腕先生」こと熱血中学教師の湯川。
ある日彼が女生徒と密会していた記事が雑誌に掲載され、その頃からネット上に湯川が生徒に暴力を振るった動画がいくつも流れ始めて、あっという間に炎上!
記事は捏造、動画はフェイク動画であることが早々に判明しますが、一旦火がついたネットの世界は湯川を徐々に追い詰めていきます。
技術が進歩し文章も写真も動画も、それなりのクオリティのモノを誰でも簡単に作ることができ、公開と共有ができる時代。そこに悪意が介在したら…。
最後の最後まで二転三転する展開に振り回され、あっという間の読書時間でした。
⚪️(再読)とにもなくにもごはん
【感想】
とにかく優しくて温かいこども食堂が舞台の物語は、文庫再読でもまったく色褪せることはありませんでした。
今回特に心に残ったのは、子ども食堂を立ち上げた松井波子さんとその夫、そして奥さんを亡くした宮本老人の夫婦関係。コレはもうため息しか出ません。
私も一応家族のために一生懸命仕事をしてきた、と思う。そうすることが自分と家族のためになると思ってたから。でもそれは古き良きイケイケどんどんの昭和の話。今の時代そんな働き方をするとあっという間に…。
何はともあれ、一番大切なのは、家族そろって「いただきます」と「ごちそうさま」が言えること。
⚪️(再読)本が紡いだ五つの軌跡
【感想】
目の前が真っ暗になって一歩も前に進めなくなった時、そっと足元を照らし、背中を押してくれる本があります。私に取ってのそんな本は重松清さんの〝きみの友だち〟や〝青い鳥〟そして辻村深月さんの〝かがみの孤城〟など、挙げればキリがありません。
人を感動させることができる本を作ろうと奮闘する編集者、作家、ブックデザイナー、書店員、そしてそれを受け取った読者の物語。
どのエピソードもじんわり心に沁みてきますが、余命宣告され、その本のデザインの仕事を最後の仕事に決めたブックデザイナーの青山氏とその奥さんの関係が特にグッときます。こんな夫婦でありたいと、こんな夫婦であれたらと心から思いました。
それから読者代表の美大生・健太郎とその父親・一成の関係も。
自分の子供が進路に迷った時、こんな言葉をかけてあげられる父親になりたかったなぁ。
何はともあれ、もし私が勧めた本が家族や、他の誰かのチカラになれたなら、本付きとしてこれほど嬉しいことはありません。
⚪️ぼくたちが知っておきたい生理のこと
【感想】
瀬尾まいこさんの〝夜明けのすべて〟から繋がった本書。
世代的にこの手の話題は避けるというか遠巻きに見守るというか、口にしてはいけないというか…。
とにかくなんとなくは知っているけれど、自分から積極的に知ろうとはしなかったのは確か。でも人類の半分は女性で、職場も女性の比率が高いので、今更と言われるかもしれないけれど手に取りました。
一番驚いたのは2019年に消費税が8%から10%に上がった時に、生理用品は軽減税率の対象にならなかったという事実。
特に女性の比率が高い医療や介護、そして保育や教育関係で働く男性には必読の一冊だと思います。
まずは知ること、そして想像することが大切。
⚪️シンクロと自由
【感想】
村瀬さんといえば「よりそう介護」の第一人者。でもこの「よりそう」ということは現在国が提唱している「科学的介護」とは相反するのではないかと思います。
そんな村瀬さんが医学の専門書を出版する医学書院からどんな本を出すのか気になって手に取ってみました。
読了後の感想は「村瀬さんはやっぱり村瀬さんだった」。
これまでの著書と違っている点があるとすれば、更に寄り沿い度がアップし、「シンクロ」という境地に達していること。
徘徊老人を無理やり施設に閉じ込めるのではなく、地域でゆるいネットワークを構築し見守るというのがすごい。
⚪️ぼけてもいいよ 「第2宅老所よりあい」から
【感想】
寄り沿う介護の第一人者である村瀬さんが、2003年〜2005年にかけて西日本新聞に連載していたコラムをまとめたもの。
再読含め最近続けて読んでいる村瀬さんの著書では最も古い本。
だからどこかで読んだことがあるエピソードもたくさん登場します。そして「またコレか」と思いつつ、やっぱりニヤニヤしたり、ほろっとしたり、腕組みして考え込んだり…。
そういえば、ぼけたお年寄り(この本に準えてあえてこう書きます)と、小さい子供たちの無邪気で素朴な言動って、対極にあるようですが、すぐ隣にあるような気もして好きです。なぜだろう。いわゆる「社会」に縛られず思うままをストレートに表現するからかなぁ。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか。
今週もバラエティに富んだラインナップになりましたが、特に気になったのは認知症関連の2冊。
自分はまだまだそんな歳ではないと思っているけれど、40代で発症する若年生認知症もあるし、会社を定年退職したものの、家にいてもすることがなくて4日で認知症になってしまった人も知っています。
そうならないためにまずすることは「頭を鍛える」こと。
そういう意味でも読書という趣味は最適。
さぁ、認知症、いやぼけ予防のためにも、次は何を読もうかな。
最後に
読書っていいよね。