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【読書記録】2024年9月8日〜9月14日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 いやぁー暑い!
 まさか九月中旬になってこんな書き出しで文章を書くことになるとは。
 とにかく台風が来て一度涼しくなった後の再びの猛暑なもんで、お年頃の心身にはかなり応えます。
 早く読書の秋来ないかなぁ。

 ということで早速今週出会った本たちをご紹介します。

【2024年9月8日〜9月14日に出会った本たち】

⚪️笑うマトリョーシカ

著者 早見和真

【内容紹介】
 若き総理候補が、誰かの操り人形だったら? 人間の心の闇に迫るミステリー。47歳で若き官房長官となり、総理への階段を駆け上がる男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。「彼が誰かの操り人形だったら?」
そう感じた女性記者が、背景を探ると、関係者の不審死、同級生の秘書や家族らの怪しい関係性が浮上し――。代議士を操ろうとする人物は誰なのか?

出版書誌データベースより

【感想】
 人気も高く飛ぶ鳥を落とす勢いで官房長官の地位まで上り詰めた47歳の国会議員・清家一郎を中心に描かれる物語。
 読み始めは志の高い高校生が国を動かす大議員になるサクセスストーリー、または一人の熱い政治家が腐った国会を変革する政治小説かと思いきや話はきな臭い方向へ。
 中身のない彼を操っているのは一体誰なのか?
 もしかしてという人物が幾人も出てきて二転三転する展開にはドキドキしっぱなしだったけれど、ラストは…?
なんだろうケムに巻かれた感じ?
 ここまで引っ張っておいて、ねぇ。もしこんな人が総理になったらと思うとかなり怖い。
 読みながら小◯進◯郎さんの顔が浮かんだのは私だけでしょうか。

⚪️【再読】西の魔女が死んだ

著者 梨木香歩

【内容紹介】
 中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

出版書誌データベースより

【感想】
 前回読んだのは約6年前。
 読みながらどん底だったあの頃のことを思い出しました。
 そう、あの頃は仕事も家庭もギリギリな状況で正直物語を味わっている余裕がありませんでした。とにかく現実逃避したくて目についた本を手当たり次第読んでいた感じ。
 改めて手に取ってみて、思春期入口のまいの危うさと、それを包み込むおばあちゃんの強さと優しさ、「魔女は自分で決めるんですよ」という言葉が心にじんわり沁みました。
 それと前回読んだ時はあまり気に留めなかった(ような気がする)御近所のゲンジさんの存在の大きさ。この人は思春期のまいにとって、理不尽な「大人」や「世間」のイメージを具現化した存在だったのではと。

⚪️限界国家

著者 楡周平

【内容紹介】
 これは本当に小説なのか!?30年後の日本社会がどうなっているかを調べてみると……仕事はAIにより「人間は不要」になり、働きたくても働けない人たちが続出。また、地方の過疎化は深刻化の一方だという。誰がこんな国にしたのか?そして、この国に明日はあるのか? 経済小説のトップランナーが描く、日本の未来。そしてそれを担う若者の生きる道とは!? 老いも若きも男も女も、全世代必読の未来予想小説。

出版書誌データベースより

【感想】
 あぁ、コレを面白いと言っていいのか。
 20年、30年後日本の未来はどうなる?
 少子高齢化が進み2050年までに日本の人口は一億人を切る。そうすると何が困るって、内需だけで国を支えることはできなくなり…。
 便利になるということは我々人間の雇用を奪うということ。
 今のところ自分の仕事がAIやロボットに取って代わられることはない、と思うが、それこそ30年後の未来はいったいどうなっているのか予想がつかない。
 「国家存続」のために移民を受け入れるのか?
 そうすると「伝統文化の継承」はどうなってしまうのか。
 自分は特にこの国にたいして愛着を持っているわけではないけれど、一応日本国民の一人だという自覚はあるつもり。しかしネットで繋がった若い世代にはもはや、「国家」という概念はないのだとか。
 もうそういう時代なんですねぇ。

 自民党総裁戦立候補者に告ぐ、今すぐこの本を読んで感想文を提出してください!

⚪️声の在りか

著者 寺地はるな

【内容紹介】
 希和は、小4の息子・晴基が書いた「こんなところにいたくない」というメッセージを見つける。本人に確かめたくても動き出せない希和は、民間学童で働き始めるが――息苦しい日常を生き抜くあなたに贈る物語

出版書誌データベースより

【感想】
 これは多分、無神経な私と、繊細で傷つきやすいあなたのための物語。
 噂話からLINEグループでの誹謗中傷、空気を読み安易にそれに同調する人たちの圧力。
 主人公の希和は自分の気持ちをなかなか言葉にできない。といっても耳が聞こえないとか何かの障害があるわけではなく、あれこれ考え込んでしまうタイプの女性。
 彼女は民間の学童保育のスタッフとして働くことで少しずつ自分の意見を口にできるようになるという心の成長物語です。
 そんな希和の成長より心に残ったのは彼女の夫の言動。多分妻がこの本を読んだら「コレはあなたのことよ!」と言われそうでとても怖い。

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか。
 冒頭でも書きましたが、今週は暑さにやられたせいかいつもよりは少なめの4冊。まぁ、数が多ければいいってことはないんですけどね。
 数は少なくてもなかなか濃厚なラインナップでした。
 特に楡周平さんの〝限界国家〟。書影から何やら日本の危機を描いた小説だというのは想像していたものの、まさか日本は「限界集落」ならぬ「限界国家」なのだという意味でのタイトルに、本当に驚きました。
 現代の技術の進化は過去の産業革命と違って「新たな雇用を生み出さない」変化という言葉にも納得。
 そのほかにも衝撃的な事実が列記されていて、明るい要素が一つも見つからず…。こういう鬱滞した時代が」独裁者」を生み出すきっかけになるのかなぁ。なんて思ってみたり。
 どうなる日本、どうする日本。

最後に
 読書っていいよね。


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