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【読書記録】2024年10月27日〜11月2日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
読書の秋真っ只中、みなさん今日も読んでますか?
早速ですが、今週は気持ちに余裕があったのか出会った本が多いので、枕なしでいきます。
【2024年10月27日〜11月2日に出会った本たち】
⚪️空想科学読本 闇堕ち検定にまた堕ちた
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【内容紹介】
マンガやアニメを楽しんでいて、ふと気になったことはないだろうか。時間を止めたら何が起こる? すぐに死んでは生き返る身体の秘密は? 至近距離で放たれた銃弾を避けられるのはなぜ!? 科学の力でこれらの謎を紐解いていく大人気シリーズ第5弾は、豪華書き下ろし3篇を加え、全30篇を厳選収録。世代を超えて愛される定番作品から、人気急上昇中のキャラクターまで、誰もが楽しめて役に立つこと間違いなしの1冊!
【感想】
先週読んだ重厚な世界観のファンタジーの次は、その想像力溢れる世界を「科学」というメスで一刀両断するシリーズの第5弾。
今回も新旧取り混ぜた30作品、アクションやスポーツ系のスゴ技解説だけではなくて、「ちいかわ」の草むしり検定はどんだけ難しいのかとか、「アイドルマスター」の劇場のグレードアップは採算が取れるのかなんてことにも触れています。
一番の破壊力だったのは、やっぱり「ウルトラマン」の科特隊の訓練メニュー。3年間の過酷な訓練をこなしてきた超エリートのはずなのに、間違ってスプーンで変身しようとしたりしちゃうとは(って、若い人はこのネタ知らないかもしれないなぁ)。
⚪️救命センター部長ファイル
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【内容紹介】
救命医療現場の医師が綴る生と死のドラマ
下町の救命センターで救急医療の最前線に立つ医師と看護師たち。救命の難しさと問題点、患者と家族が織りなす人間模様。一秒を争い、最善を尽くす現場の生と死のドラマ。シリーズ第4弾。
【感想】
例えば何らかの事故で負傷した患者が救急車で救命センターに運び込まれる。医師・看護師は最善を尽くしその命を救う。そして助かった患者とその家族は笑顔で病院を後にする。なんてドラマのような場面はあることにはある。でも多分一握り。現実はなかなか世知辛く、助からない命がほとんどで、命を取り留めたとしてもいわゆる植物状態ということも往々にして起こる。これが医療の現実。
もし自分の家族が事故に遭い、「手術することで命は取り留めるかもしれないが、植物状態になるかもしれない」と言われた時、自分はどういう判断をするだろうか。
⚪️救命センター「カルテの真実」
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【内容紹介】
高齢化する日本。救命救急センターの現場にもその影響は大きい。孤独死、無理心中、老親への家庭内暴力……最先端の医療現場から社会を見据える、リアルなヒューマンドキュメント。
【感想】
今年の夏の文庫フェアで偶然手にした浜辺さんの著書。文庫化された全6冊を読んで思うことは、日本は本当に恵まれているということ。いつでも救急車を呼べてしかも無料。高額医療も格安で受けられる。自分が子供の頃だったら助からなかったであろう命も救われる。
元々増え続ける交通事故患者対策として昭和40年代に設立された救命センターだが、現在は高齢者が運び込まれることが多くなったという。
介護疲れから妻を殺害し、自分も自殺を図った夫が、命が救われたことで犯罪が明るみに出てしまったという老老介護の夫婦の話は何だかやりきれない。
⚪️ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生
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【内容紹介】
日本人はなぜ、こんなにもポテチが好きなのか?ジャガイモ復権の狼煙「のり塩」、洋食への憧れが育てた「コンソメパンチ」、団塊ジュニアを魅了した「ピザポテト」。ポテトチップスを軸に語る戦後食文化史×日本人論!
【感想】
とにかくポテチ愛に溢れた本でした。
最近あまり食べなくなったけれど、やっぱりコンビニの新商品、特に新フレーバーはチェックしてしまいますね。
まず驚いたのはポテトチップスの元祖がカルビーのうすしお味ではなく、コイケヤののり塩味だったということ。
時代によって求められる味や食感は変化するけれど、「お腹いっぱいに食べられない時代には、人々の嗜好は甘いものに向き、お腹が満たされると塩味を好むようになる」という話と、「人はストレスが強くなると濃い味を欲する」という話に納得。
あー愛しのカラムーチョ、わさビーフ、ピザポテトよ!
…ってことは、現在私はストレスフルな状態なのか??
⚪️悪口ってなんだろう
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【内容紹介】
友だち同士の軽口とはなにが違うのか。あだ名はどういう時に問題になるのか。悪口を言うことはなぜ面白い感じがするのか。言葉の負の側面から、その本質を知る。
【感想】
言われると嫌な気持ちになるのについ言ってしまう悪口。そんな「悪口」を分析し解説してくれるのが本書。
人間というのは相手をランク付けして自分が優位に立ちたい生き物だから、悪口と無縁ではいられない。
結局のところ相手との関係性が大事で、お互い対等であれば、多少荒っぽい言葉であっても悪口には当たらない。
一つ感心したのは、悪口には上位の者、例えば権力者の力を抑制するという働きがあるということ。
それから悪口を聞いたらその場で指摘しないと、その場の雰囲気が「コレは有り」となってしまうというのにはどキリとさせられました。
⚪️ケアしケアされ、生きていく
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【内容紹介】
ケアは「弱者のための特別な営み」ではない。あなたが今生きているのは赤ん坊の時から膨大な「お世話」=ケアを受けたから。身の回りのそこかしこにケアがある。
【感想】
「ケア」というとどうしても「介護」が浮かぶ世代なので、タイトルを見た時、いわゆる「老老介護」や「介護する側とされる側の関係性」について書かれた本かと思って手に取りましたが、全然違ってました(汗)。
この本ではケアを5つに分類しています。
①関心を向けること。
②配慮すること。
③ケアを提供すること。
④ケアを受け取ること。
⑤共に思いやること。
子育てに関わることで価値観が大きく変わったという著者。そのアプローチが吉と出るか凶と出るか、答えが出るのは10年後だな。な〜んて思う家族を顧みずに24時間戦った捻くれオヤジがひとり。
⚪️従順さのどこがいけないのか
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【内容紹介】
政治」というと国会や内閣といったいわゆる政治が思い起こされるが、政治的な立場に問われる場面は様々なところに存在する。たとえば、学校のクラスでの一場面をイメージしてもらいたい。ある生徒がいじめられていて、それに加担するのか、それとも制止しようとするのか、それとも中立を装うのか。先生が自分にとっては不当な決まりをつくり、それをクラスに当てはめようとするとき、そのまま従順に従うのか、それとも反対意見を述べるのか。こうした瞬間にも政治が立ち現れる。本書では「従順であること」そしてそれがより強くなった「服従する」ことのどこに問題があるのかを中心に論を立て、その弊害、そして従順ではないならどうしたらよいのかを解説する。
【感想】
戦後、団塊の世代が成し遂げた脅威の経済成長を引き継き、さらに拡大させることを求められた我々ジュニア世代。だから学校でも権力には従順に、異議申し立てをせず右へ倣えの精神を叩き込まれ社会に出ました。
そんな我々が作ったのが「空気を読む」「同調圧力」なんて言葉が横行する、歪んだそして息苦しいこの国。そしてそこに暮らすのは文句は言うけれど責任は取りたくない人々(もちろん私もそのひとり)。
今更だけど、「他人を守ってこそ、自分も守れる。己のことばかり考える奴は、己をも滅ぼす奴だ」。この言葉を胸に、小さいことからコツコツと。
⚪️料理人という仕事
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【内容紹介】
腕一本で独立できる。イメージを形にして、人を幸せにできる。ルーティンワークのなかにクリエイティビティがある。そんな仕事から私たちが学べるものとは?
【感想】
料理人とはどういう仕事なのか。どうやったら料理人になれるのか。というのが本書のテーマですが、読んでいくと料理人だけではなくすべての仕事に共通する内容でした。
著者は言います「どうせ働くなら最初は高い(一流の)店で働け」と。つまり最初にできるだけクオリティの高い経験をできるだけたくさん積んでおけば、後でいくらでも潰しは効く、でもその逆は難しいということ。
そしてこれも料理人に限らず、新しい職場に入職した時、右も左も分からない中でも「次、何をやりましょう?」と言えることの大切さ。
現代における「修行」の意味と役割にも納得。
⚪️職場を腐らせる人たち
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【内容紹介】
根性論を押し付ける、相手を見下す、責任転嫁、足を引っ張る、自己保身、人によって態度を変える……どの職場にも必ずいるかれらはいったい何を考えているのか?
これまで7000人以上を診察してきた著者は、最も多い悩みは職場の人間関係に関するものだという。
理屈が通じない、自覚がない……やっかいすぎる「職場を腐らせる人たち」とはどんな人なのか? 有効な対処法はあるのか? ベストセラー著者が、豊富な臨床例から明かす。
【感想】
まず第一章で「職場を腐らせる人」の15事例を解説。読めば大抵「あーこういう人いるいる」となるはず。例えば「根性論を振りかざす人」や「言われたことしかやらない人」、「相手によって態度を変える人」、「陰で悪口を言う人」など。
…ちょっと待て!?
もしかして自分がこの15タイプのどれかに当てはまっていないか。
もしそんな人が職場にいたら、大抵は自分が悪いとはこれっぽっちも思っていないので、そういう人たちを変えるのは難しい。だからとりあえず距離を置き絡まれないように、絡んだら面倒臭い奴と思われるようになることで対処しようと。
⚪️カビンくんとドンマちゃん 感覚過敏と感覚鈍麻の感じ方
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【内容紹介】
「食べること。着ること。楽しむこと。僕(私)は、なぜ人と同じようにできないんだろう」
感覚過敏(カビンくん)と感覚鈍麻(ドンマちゃん)の2人が感じている困りごとをストーリー形式で追体験できる本。感覚セカイの「そうだったのか!」がわかる1冊です。
【感想】
感覚過敏の著者が、感覚過敏とは、また感覚鈍麻とはどういうことか、日々どんなことに困り悩んでいるかを小説仕立てでわかりやすく解説してくれている本。
感覚の障害(この言葉が適切かはわからないけれど)というのは肢体不自由や視覚障害などのように一見してわかるものではないので、なかなか理解を得にくいかもしれない。
大変かもしれないけど、まずはこの本のように当事者が声を上げることが大切。引きこもったままで「理解してほしい」というのはやっぱり無理があるから。
まずは知ること、そして想像をめぐらし自分に引き寄せて考えることから始めよう。
⚪️宙(そら)わたる教室
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【内容紹介】
東京・新宿にある都立高校の定時制。そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。
負のスパイラルから抜け出せない21歳の岳人。
子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ。
起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純。
中学を出てすぐ東京で集団就職した70代の長嶺。
「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集った生徒たちは、理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、
学会で発表することを目標に、「火星のクレーター」を再現する実験を始める――。
【感想】
ある定時制高校が科学部を立ち上げ火星のクレーター再現実験に挑むという物語。
集まってきた面々は様々な年代の老若男女。みんなそれぞれ事情を抱えていて一癖も二癖もある。そんな生徒たちをまとめるのがこれもちょっと訳ありの教員・藤竹。
簡単にいうと山田洋次監督の映画「学校」に科学というテイストを加えた感じだろうか。
正直科学的説明についてはついていけない部分もあったけれど、それでもとにかく温かくて優しくて。読んでいて何度ウルッときたことか。
映像化したら面白いだろうなと思って調べてみたらドラマ化されて10月から放送されていたという。
しまった!
見逃した!!
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか。
今週は「乱読オヤジ」の本領発揮。
知的好奇心炸裂の1週間でした。
基本的にはいわゆる「物語」を中心に読んでいる私ですが、時々読んでいる物語に心が引っ張られてしまい、読書自体がしんどくなってしまうことがあります。
そんな時に気分を変えるために手に取るのが新書。
特に中高生向けに編纂された「ちくまプリマー新書」は、頭が硬くなったオヤジにもわかりやすく(時にはかなり難しいこともあるけれど)書かれている新書のシリーズなので、今更他人には聞けない事柄を知るにはとてもいい。
…で、どうやって気になるテーマの新書を探すかというと、これ
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この目録をパラパラめくって、気になる本をGET!!
筑摩書房以外にも、出版各社が文庫や新書の解説目録を出していて、基本的には無料で入手できますので、店頭または電子書籍ストアで探してみてください。
最後に
読書っていいよね。