ひきこもり、外へ出る。
ひきこもりだけど近所を散歩してきた。インタホンが鳴って玄関に立つのにすら恐怖しているぼくは、近所をぶらぶら歩いてきた「だけ」とは言いがたい苦痛をともなったんだけどさ。でも頑張って散歩してきたんだよ。
しばらく曇っていたり、雨が降っていた空も、今日は雲ひとつない快晴。根暗でひきこもりのぼくだって、雨が降ってじめじめしているよりは、晴れているほうが気分もスカッとするし、どこかへ行きたいという気持ちにもなる。
普段なら、良い天気でも、気分が優れていても、ひとりで外へ出る恐怖と億劫さに負けてしまい、家の中でだらだら過ごしていたはずだ。でも今日は違う。ぼくを突き動かしたのは、良い天気でも、良い気分でもなく、嫌な気持ちだった。
noteにもメインブログにも書いたんだけど、現在、彼女とまったく連絡が取れない状態となっているんだ。今なお連絡がつかない。
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彼女が自殺をしてしまったかもしれない。
最初は「仕事で疲れてるだけかしら」と思ってたが、何度メッセージを送っても既読されないので、少しずつ恐ろしくなってきたんだ。そのときはひどく狼狽したし、多少落ち着いたいまも、心配で心配で仕様がない。
こころの中が何らかのネガティブな感情でいっぱいになってしまったときは、見せかけだけでもいいから何か別の作業をして、その作業に集中することが一番であることを、ぼくはよく知ってる。
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だからパソコンを開いてnoteやブログを書こうと思うんだけど、何を書こうかと考えれば、心配で心配で仕方のない彼女のことが真っ先に思い当たる。
どうしたものかと悩んだ末に、ぼくは「お昼ごはんを食べたら散歩へ出かけよう」と決めた。そうと決まれば、ウォーキングをするわけなんだから、エネルギーが必要だ。ふだん糖質制限ダイエットをしているのであまり食べることのできないカップ麺を食べて、その直後に歩こう。そうすれば糖質を摂取しても、エネルギーとして使えるだろう。
ぼくはさっそくカップ焼きそばを作り、冷凍からあげを添えて昼食をとった。まだ午前11時くらいのことだったけど、ほんの些細な刺激で気が変わってしまいそうだったので、散歩に出かけるためには、今すぐに昼食をとる必要があったんだよ。
ごはんを食べて、いざ散歩へ……というところでねっとりとした恐怖が湧き上がってきた。心臓が早鐘を打つ。その心音は胸というより喉元から聞こえてくるようだった。急に寒気がし始め、喉が乾き、コップにいっぱい注いだ水を一息で飲みきった。
思い立ったときにすぐ行動し、尚且つダイエット中であるにも関わらずあえて糖質をとり、散歩へ出かけざるを得ない環境を作ったというのに、これだ。
着替えて、スマホと家の鍵を両のポケットに入れ、玄関の前に立ち……
「行くぞ」
と、気合いを入れなければ、外へは出られなかった。
なるべく長時間だらだらと散歩をするために、ぼくはもうひとつ策を講じていた。それはスマホのゲームアプリである「ポケモンGO」だ。GPS機能を用いたゲームであるポケモンGOでは、たくさん歩けば歩くほどゲームも進行していくので、散歩のお供としてぴったりなんだよ。
ぼくはひきこもりであるがゆえにあまりプレイする機会はないが、母とお出かけをするときや、今日みたくひとりで散歩に出かけるときは、欠かさずアプリを立ち上げるようにしている。ゲーム上では自分がこれまでにゲームをプレイしながらどれだけ歩いたかを確認することができるので、ちょっとしたモチベーション維持にもつながるんだ。
ゆーっくり歩いて1時間くらいだろうか。おそらく1時間で3キロほどしか歩いていないが、それでも1時間も歩けば大したものだ。よく頑張った。
外へ出るときはヘッドホンが必須なのは相変わらず。周囲の音が聞こえないことが難点だけど、周囲の「声」が聞こえるよりずっとマシなんだ。
めったにないけど、ひとりで散歩をするときは、必ずジャズを聴く。ごくごく稀にそのとき自分のなかで流行っているバンドの曲を聴くこともあるけど、大抵はジャズだね。
ゆったりとしたテンポのジャズばかりを集めたプレイリストをワイヤレスのヘッドホンで聴きながら歩くと、恐怖や緊張が抑えられるような気がするんだ。
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運動をするとポジティブになる。血行がよくなることで隅々まできちんと血液が行き渡るようになるし、同じ動作を繰り返すリズム運動には、神経伝達物質のセロトニンを増やす作用がある。セロトニンが増えると幸福感が得られ、現実を前向きに捉えられるようになる。
体を動かすことは人間の「幸福な気持ち」に欠かせないんだ。
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もちろんそれだけですべての問題が解決されることはない。ただ恐怖や不安や心配などの一見ネガティブな感情も、見方が変わるだけでポジティブに受け取ることができるんだ。
ぼくはいま、彼女が「自殺」をしてしまったんじゃないか、そうでなくても、何か良からぬことが起こっているに違いないと心配してるし、その心配が消えることはない。
でも散歩をしたことで、同じように心配していても「彼女を信じる」という選択肢を持てるようになった。彼女を信じよう。連絡が取れず、おまけに彼女は遠くに住んでいて会いに行くこともできないんだから、ぼくにはそれしかできない。とにかく彼女を信じるんだ。
そう思えただけで、少しこころが軽くなりました。
昨日、一昨日とろくに眠っていないので、お昼寝ができたらいいなあ。
ということで、おやすみね。
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