新湊内川、港の風を感じて。
富山県射水市の新湊地区にある内川は、運河が広がる水辺の穏やかな風景がイタリアのヴェネチアのように見えることから、日本のヴェニスと呼ばれています。
内川は海から海へとつながる運河で、古くは大坂から下関を経て、蝦夷地(北海道)へと至る北前船の中継地点として重要な役割を果たした地です。
全長3.5キロほどの短い川は、川の両岸にうねりからんだ漁船が並び、どこか懐かしさが漂う港町の風情が広がっています。
そんな新湊内川を、ぶらぶらと散歩してみました。
川沿いには係留杭が等間隔で並んでおり、ここが港であることがわかります。
漁で使う道具がいたるところに置かれています。
厚塗されたペンキが、漁の過酷さを物語ります。
岸辺に目をやると、花壇の世話をする人、写真を撮る人、釣りをする人。
緩やかな川の流れとともに、緩やかな時間の流れを感じます。
昼間は漁を終えた船がたくさん往来します。
低く響き渡るエンジンが海鳥の声と共鳴します。
内川にはいくつもの橋があり、それを巡って散歩する人も多いです。
内川の最後に掛かる橋は万葉線と交差します。
内川からちょっと中に入った路地もまた魅力にあふれています。
かすれた看板。
日焼けしたポスター。
ここは昭和で時が止まっています。
散歩していると一匹が近寄ってきました。
人懐っこく、ずっとおねだりをして離れません。
近所で面倒を見てもらっている子のようです。
寺の境内を覗いてみました。
ここは専念寺の傘松という突然変異で傘状に成長した松の木があります。
枝が放射状に伸び、傘の形を呈しているのですが、一見、普通の茂みのように見えなくもありません。
川の街、新湊内川。
そこには昭和の空気をそのままに、穏やかな時間の流れを感じさせる素敵な場所でした。
まさに「日本のヴェネチア」です。
内川の観光拠点となる川の駅 新湊は万葉線「新町口」から歩いて5分ほどの場所にあります。