-小言- 自分の中身
--私は××そうと思った。
髪を伸ばしてみても、
服装を変えてみても、
本当の自分にはなれなかった。
本当の自分が、一体どんな姿をしているのかすら
はっきりとわからない。
自分らしさ、本当の自分、個性、特性、アイデンティティ。
そんなものは私にはないと、声に出したかった。
が、私にその権利が保障されている確証が得られない。
ましてや、この声が他人の物でない時点で、そんなことをいうには矛盾が発生する。
ずっとぐるぐると頭の中を、身体中を鬱陶しい鵯〈ヒヨドリ〉の鳴き声を上げながら走り回る芋虫のような私を、私は--
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