梔子書房|作品発表の書斎
💡小言のような詩を集めました!2分もあればサクサク読めます♪
💡ほっこりしたい時におすすめ! 会社で嫌がらせを受けている主人公が、仕事を辞めて田舎で暮らすことにした。1人で静かに暮らすイメージをしていたが、その予想はすぐにないものになる。ちょっと変わった田舎暮らし、はじまります。
💡5分で読める短いお話集!寝れない夜やほっと一息などにおすすめ。 最大800字程度で5分もあれば読み終わる掌編小説をまとめました。
💡物語というよりも、思ったことを誰かに共有したいために書いた随筆?です
💡読み切りのちょっと怖いお話たち。本当に見た夢が元になっています! ーこれは私が見た夢の話。そう、夢の話。夢であれば納得がいく話。夢であってほしいとすら願うほど、気分が悪くなる話。ー
-本編- ーあなたが手に持っている薄い機械の板に、人工知能の会話が記録されていた。ー 私の言うことを否定せずに聞いてください。 対していじめに遭ってきたわけじゃないし、 家庭環境が複雑だったわけじゃない。 でも、何かが辛い。 辛いと言うのが正しいのかすらわからない。 けど、考えた結果、 自分の感覚がおかしいから、 自分の頭がおかしいから、 自分の脳がバグってるから、 自分の目がおかしいから、 自分の鼻がおかしいから、 自分の耳がおかしいから、 自分
-本編- 毎日毎日、日が昇って沈むまで、夢を見ていた。 朝目が覚めて、身支度を済ませて外へ出る。 用事を済ませ、帰宅しご飯を食べ、風呂に入って寝る。 毎日がずっと夢の中に生きている。 そんな日々のある一日に、 ずっとずっと好きだったあの本を読む気になった。 ただ読むだけでは勿体無いので、喫茶店へ行って珈琲でも飲みながら。 良い一日を過ごせそうだと心を弾ませた。 席へついて本をテーブルにおく。 メニュー表を長めて珈琲を注文する。 やはり渋めの喫茶店で飲みたくな
自由に書く なんてことができなくなってきている。 この表現は相応しいだろうか、 ここにつながりを明示した方がいいだろうか、 この題材なら読んでくれる人がいるだろうか、 そんな外側のことばかり考えて 不自由な文章を書いている感覚になる。 一番最初に書いた作品を超えられない。
私の生き方って、 私にしかできないんだと 改めて思う。 迎えが来るまでは 自分自身でいたい。 他人の良いと悪いとこ 色々みても結局自分はどうしたいのか? 生き方ってそれぞれだから “私”って言う生き方をしたいと思う。
ーー綺麗だったあの春の日差しの所為で伸びた陰が今になって風に靡いた。 なぜだか解りませんが、頭の中にふとそんなフレーズが流れ込んできました。 その時一粒だけ涙が零れていましたーー
列車が停止してから七分が経過していた。 二〇時四〇分だった。 電力供給も停まっているようで、 車内は真っ暗だった。 仕事を終え、帰る乗客で一杯だった。 乗客は声を顰めながら口口に話していた。 或る者は帰る時間が遅くなると連絡を入れる。 或る者は苛立ちを隠せず溜め息を吐く。 次第に声は大きくなり、 耳障りな音へと変化していった。 どうもこう、背筋が痒くなるような、 何かが這い回るような。 しばらくして電力が供給され、灯が付いた。 周囲は人と同じ大きさをした黄金虫が
--私は××そうと思った。 髪を伸ばしてみても、 服装を変えてみても、 本当の自分にはなれなかった。 本当の自分が、一体どんな姿をしているのかすら はっきりとわからない。 自分らしさ、本当の自分、個性、特性、アイデンティティ。 そんなものは私にはないと、声に出したかった。 が、私にその権利が保障されている確証が得られない。 ましてや、この声が他人の物でない時点で、そんなことをいうには矛盾が発生する。 ずっとぐるぐると頭の中を、身体中を鬱陶しい鵯〈ヒヨドリ〉の鳴き
「ここに赤いのがあるでしょ?これ、実は…」 幼馴染にそう言われて、一瞬で悟った。 もう長くはないんだと。 幼馴染の首元に、赤いニキビのようなものができていた。 それは死期が近い人に現れる「幸せの花」の種らしい。 それを伝えてくれた時の幼馴染の笑顔が、 あまりにも綺麗で泣きたくなった。 そのあとは頻繁にドライブに行った。 春には桜を見て、 夏にはひまわり、 秋にコスモス、 そして冬には、幸せの花。 あっという間だった。 幸せの花はスミレの花によく似ていた。 失
このマンションには、頭のおかしい奴が住んでいるらしい。 上の階に住んでいる奴がそんなことを言っていた。 頭のおかしい奴とはどんな人間なのか。 全く見当はつかないが、とにかく近づかない方が良いことだけはわかった。 なんでも、日の暮れた夕方によく目撃されているらしい。 私が仕事を終えて帰ってくる頃の目撃例は少ないらしいが、 安心はできない。 そう考えていたのは、上の住人からその話を聞いた後の数週間だけだった。 その頭のおかしい奴は、一人ではなかった。 五人ほどだろうか。
季節という概念が曖昧になったまま、十一月が顔を覗かせた。 その日、私は何故か慌しかった。 稽古場へ行き用事を済ませた後、近所の書画展へ行った。 筆の跡が、黒く淀んだ蚯蚓の様だと思った。 書画を見た時の、言葉になりきらない感情は、 私ではない誰かの感情であると思えた。 私は初めて、文字が人の口から生まれるものではないと知った。 また、友人がギャラリーを構えたと聞いて、京都へも飛んで行った。 私は産まれて初めて、人にシャンパンを贈った。 そこでは、ある種の既視感を覚え
その階段を一目見たとき、私は心を惹き付けられたように眺めてしまった。 その階段は、特段これと言った特徴はないものの別な階段とは違った異質な雰囲気を醸し出していた。有名な画家が最後に描いたと噂される絵画を見たときと同じ気分になった。なんでもない風景を描写した絵画のように、何でもないその階段にだけしか目が向かなかった。 私の心は、その階段に誘われているような気がした。それも、一度や二度の話ではない。この洋館を改装した図書館へ来るたびに、その階段に見惚れてしばらく足を止めたまま
箏の稽古をしているのが二人。 一曲を終えて溢れた「詰まらなくなってきた」についてのお話。 初見では詰まって間違うことがあるが、慣れてくるとそに詰まりが取れて流れるように演奏できるようになる。 「つまらない」は出来ないながらに練習する楽しさを忘れた時に訪れるのかもしれない。
—3月某日。数日間にわたって、連続して火災が発生した。 火元が不自然であったため、警察は放火魔の仕業とみて捜査を進めていた。その矢先、人間に偽装したカゲが遺体で見つかった。死因は不明らしいが、その見た目から焼死であると鑑識の判断が下りた。 警察がカゲの遺体を黒い鞄のような袋に移しているところが、ブルーシートの隙間からちらりと見えた。カゲの遺体の口が開いているようにも見えた。ブルーシートの隙間はすぐに黒い靄が掛かって何も見えなくなった。最近、警察でもカゲと協力する方向に可決し
昨日は大学の友人と美術館へ出かけた。 そこで見た展示では、大きな問いに対して、作家それぞれが発表する作品で溢れていた。空間自体が、それぞれの作家達が見聞き、感じ、考えたことであった。 私も考えずにはいられなかったのだが、一気呵成に済まさなかったのが少し悔いだった。
以前からよくしてくださっている皆様、 ご無沙汰しております。 梔子です。 危険な厚さが続いていますが、 皆様お変わりないでしょうか。 私はなんとか元気に過ごせています。 さて、約半年ほど投稿できていませんでした。 楽しみに待ってくださっていた方には本当に申し訳ない思いでいっぱいです。 そこで今回は近況報告として、記事を書いています。「最近どうしてたの?」と感じていた方は特に最後まで読んでいただけたらと思います。 以下に今回の内容をまとめておきますので、気になるところ
* 最近元気の在庫もない、製造ラインも止まってるなんて話をお友達としてた。 自分じゃどうしようもない悩みが、忘れていただけでずっとあったこと。 最近また思い出して、元々自分を許せたわけじゃないけど、やっぱり、自分のことをなんだか許せなくなった。 「私ってなんなんだろうね。」 ずっとそんな、すぐには答えが出ないような、出さなくてもいいようなことを考えてしまう。 でも少しは、気分が良くなったかな。 多分。 * 最後まで読んでいただいてありがとうございます。 スキ