【商品企画のプロセスを知ろう!】岩手県立平舘高等学校家政科学科
みなさんこんにちは、地域コーディネートI-Attract.アシスタントの小野寺です。今回も外部講師による授業の様子をご報告いたします。
外部講師第6弾!
今回は6月20日、岩手県立平舘高等学校家政科学科3年コミュニティデザインコースの特別授業の様子です。
講師は地域コーディネートI-Attract.の鈴木絵美さんです。
鈴木さんは前回、家政科学科2年生に授業を行なってくださいました。
今回は「商品企画」ということで今後、平舘高校の生徒が商品を売り出す時に必要となる大切な授業です。その授業の様子を報告いたします。
★ターゲットを考えて、絞る!
ターゲットとは、この授業では商品を購入する人(お客様)を指します。
ここでは、ターゲットの考え方の例を学びました。
例えば、ある人物を思い描くとします。性別、その人の背景(どこ出身?何をしている人?など)、趣味や思考、住んでいる場所は県内、県外、海外なのか。またその人に自分達が作った商品をどうして欲しいのか。使ってもらいたい、食べてもらいたい、購入してもらいたいなど考えていくと、より具体的なターゲット層が見えてきます。
一つの商品に対してターゲットを絞ることで見えてくることがある!
→「ターゲットを考える」ことは後に大切になってくる!
また、分かりやすい例を使って鈴木さんが解説してくださいました。
父の日が近かったので父の日に合わせて考えてみました。では、父の日に皆さんは何をしますか?日頃から頑張るお父さんへ感謝を伝えるために手紙を書く人もいるでしょう、またプレゼントを贈る人もいるでしょう。ここでのターゲットは、手紙を書く人やプレゼントを贈る人となります。
★マーケティング(データ)
マーケティングとはターゲットのニーズを調査することです!
先ほどの父の日で例えますとターゲットは手紙を書く人やプレゼントを贈る人でした。ではターゲットは何を求めるでしょうか。ここの二つのターゲットでは手紙を書くための便箋、文具、感謝の気持ちを伝えるためのプレゼントが「欲しいもの」になってきます。ではそのニーズに対応した商品を考え、売れるかもしれないという流れになっていきます。そのためには調査が欠かせません。調査の方法は様々です、アンケート調査やデータの収集と沢山あります。この流れがマーケティングでもあります。
戻りまして、この例えを実際に生徒の皆さんが行うとすると、どう始めるのか問いをかけると、「人から聞く」という意見が出ました。今の時代、SNSが復旧し多くの情報を意図も簡単に得られる時代となった中、この意見が生徒の口から聞けたことに感動しました。
データ収集やアンケート調査など知らない人から聞くこと、多くの意見を取り入れることは大切ですが、まずは何のための調査なのか忘れないことが重要ですね!
今回の授業では平舘高校生が開発した「八幡平バジルクッキー」や「熔岩パン」を欲しいと思ってもらうためには…という意味も込めての授業だったので、身近な消費者からの意見を取り入れることは最も重要です。さすが若い方々の頭は柔らかいなと感心してしまいました…笑
鈴木さんはその後、様々なデータを提示してくださいました。生徒の皆さんは身近な「食」についてのマーケティング内容と、その使い方を事例としてインプットしていました。生徒の皆さんは真剣に耳を傾け、集中していました。また発言が果敢でとても授業に対しての姿勢が良かったです。
★ベネフィットを考えてみよう!
ベネフィット=利益、売る側の利益やお客様の利益などがありますが、ここでは「使う・買う」側(お客様)の利益を中心に考えます。
考え方の例として、「穴を開けたい」とお客様が考えた時に必要なものは何か、そう、それはドリルです。ドリルが欲しい、買いたいと考えます。つまり、買った後のことを想像できるととても良いということがわかります!
余談ですが車のCMなども「なにができるのか」性能、機能などを提示しているものが多いですよね。
生徒達の目線で考えるとバジルクッキーは紅茶と合うので紅茶とセットで売るのも効果的ですね。(もしくは紅茶コーナーで販売するなど)
以上を踏まえると、お客様(ターゲット)の気持ちになってみることもポイントとなることがわかります。自分達で絞ったターゲットの立場になってみることが重要だと理解できました。
★販売戦略を考える!
ターゲットに対してニーズ(需要)のある商品が用意できる!
どんなベネフィットを打ち出した販売方法にするのか…
絵美さんは、よくある事例としてバンドル戦略をはじめサンドイッチ戦略、STP分析、4P分析など様々な販売戦略や分析の種類について教えてくださいました。もしかしたら、将来耳にするかもしれません。カタカナやローマ字が入ると少し難しく思ってしまうかもしれませんが、分かりやすく丁寧に解説してくださいました。生徒の皆さんは熱心に耳を傾けていました。
★販売方法は?広報とは?
それではターゲットのニーズに対して用意した商品をどうやって販売していくのでしょうか?どんな売り方があるのか考えてみましょう!
生徒の皆さんは、ネット通販、訪問販売、電話での販売などと様々な意見をたくさん出していました。積極的な姿勢がとてもいいですね。
では、それにはどんな広報が必要でしょうか。考えてみましょう!
生徒の皆さんはダイレクトメールやCM、掲示板などなど沢山意見が出ていました。その中でも私が特に印象的だったのは回覧板でした。思わぬ視点に私も「ああ、確かになあ!」と気づきが生まれました。生徒の皆さんの頭は柔らかくて、しっかりしていて「流石、高校生若い!」とこれまた感心してしまいました。笑
★今まで習ったことを踏まえて実践してみよう!
では、実際に八幡平バジルクッキーと熔岩パン販売を題材に商品企画をしてみましょう。現状は?ターゲットは?メリットやベネフィットは?PR方法は?売り方はどうするの?生徒の皆さんは今までのことを思い出しながら現状を分析し、ターゲットはこの年代だったな、利益はこういうところだな、PR方法はどうしようか、売り方はこんなのがあるぞと先生も交え、熱心に語り合っていました。また八月にはイベントが控えているのでそこにむけて戦略を考えているようでした。
感想
今回は家政科学科の3年生の授業にお邪魔しました。皆さん果敢に意見を出し合ったり、ここはこうじゃないか、違うのではないか、こうだといいのではないか、など意見を出すだけでなく改善する点も見つけ出していて、圧倒された2時間でした。授業内容をしっかりメモする姿はとても逞しく、感動しました。自ら発言したり、メモを取ったりととても良い授業を拝見させていただきました。
以上、地域コーディネートI-Attract.アシスタントの小野寺でした!
次回もお楽しみに!