君住む町は。。。

きみを訪ねて行ったら
いなかった
小さな町で　迷子になるくらい　探したけど
見つけられなかったよ

きみが　どんな顔してたかさえ
もう　思い出せない
そこに　なにひとつ残さないで
いっちゃったのかい？

広場に座り込んで
列車がくるまでの　長い時間
空だけを見てた
そんなひとがたくさんいるようで
時々　霧雨がこころ濡らしていったんだ
　寒くはないかい？

きみはどこいっちゃったの？
見知らぬ町になって
ただ
喧騒とコマーシャルな張り紙と
のぼり旗が風になびいてさ

もう
あの頃のきみはいないんだね

　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　20年後のある町にて
　　　　

もう
思い出せないほど昔になるだろうか。
訪れた地は　まるで違う様相で出迎えてくれた
住民の何十倍のインバウンドの訪問に　
町の中心部は沸いていた
あの場所にはファストフード店が並び
国産ブランドの宣伝が大きく貼られ

　　いいことなんだろう　　
　　　時代遅れは私たちだろう
　　風が気の毒そうに過ぎる
　　町んなかは。。。