介護施設の接遇のはなし③
介護施設で「言葉遣いを丁寧に!」とか「タメ口はダメです!」とか「アダ名で呼ばないで!」とかとか注意すると、だいたいの反応として「そんなの堅苦しい」とか「うちはアットホームな感じでやってる」とかそういった反発が出てくる。
もっともらしい言い訳だけど「それ、面倒臭がってるだけですよね?」ってはなし。
なんで面倒臭いかって言うと、その方が楽だから。楽だし、そもそも高齢者に丁寧な言葉遣いを遣いたくないのである。
なぜかって言うと、要介護者は介護者より立場が低くなるから。だから、誰も要介護者になんか丁寧な言葉遣いを遣いたくない、タメ口で充分だと心の奥底で思っている。
「私はそんなことない!」って人もいるかもしれないけど、そんな人は少数派の立派な人です。だいたいの人が心にも思ってないけど要介護者を下に見てタメ口で話す。
でも丁寧な言葉遣いを使えない訳じゃない。そういった心理が働くからだ。
たとえば、お店の店員が子どもに対してタメ口で話してても違和感無いだろう。
それは子どもが、その店員よりも下の立場だからだ。
子どもと言えどお客さんなのだから、店員よりも立場は上になるはずだが、子どもってだけで下の立場になる。
つまり、社会的に守られる側の人間は立場が低くなるから接する人はタメ口で話す。
施設の職員も自立度の高い人よりも自立度の低い人の方がタメ口で話す。
それは、自立度の低い人の方が社会的に守られる側の人間になり立場が低くなってるからだ。
つまり「堅苦しい」とか「アットホームな雰囲気」なんかは大嘘で、単純に丁寧な言葉遣いが面倒臭くて、心の奥底でその人の事を自分より下に見ているのである。
ちなみに言葉遣いを丁寧にしても堅苦しくならないし、アットホームな雰囲気はでるから安心してほしい。
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