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船底のお掃除とからだのメンテナンス

昔、大学で調達という経理のお仕事をしていた時に知ったのですが、船は買うのも高いけど、維持費が大きいです。


毎年、定期的に船底をクリーニングしなくてはならないのですが、海に浸かているとクリーニングできないので、船を引き上げなくてはなりません。

さらに、船底にびっしり張り付いた牡蠣とか昆布とかを引きはがすのが大変で、剥がし終わったら、船底に塗料を塗って、牡蠣がつかないようにします。これが結構強い薬です。


船が大きいほど、経費も莫大になりますし、設備も大きくなります。

そんなわけで、船は建造費も大きいのですが、その後の維持費も見積もらないと、気安く購入すると、とんでもないことになります。


ところで、人体は、船みたいにドッグインする必要って、ないのでしょうか?


私たちの寿命が50年足らずだったときは、ケアは必要なかったと思いますが、人生100年と倍に伸びた現在、ケアなしで80年過ぎてしまうと、80年分牡蠣がびっしりついたような状態になってしまいます。


人の寿命が延びたから、歯の歯石とりをして、歯の寿命を延ばさなくてはなりませんし、体の寿命が延びたから、最後まで健康で過ごすには、メンテナンスが必要なのです。


もし病気になってしまったら、病院のお世話になるしかないのですが、その手前で、船をドッグに入れるように、体をメンテナンスできるところはないのでしょうか?

人の体のメンテナンス場所は鍼灸院です。


船と異なり、人の身体は船底…ではなく、背骨の周辺にコリが溜まります。


私たち鍼灸師は、患者さんの背骨の状態を診て、「この人は身体のケアが出来てるな、できてないな」を診ています。

姿勢の良し悪しとかではなく、実際に鍼を刺して、鍼先で感じるコリのたまり具合を診ます。

背骨には、突起があって、その突起周辺には、びっちり糊のようなコリがたまるのです。


背骨だけじゃなく、背骨の突起から、左右の肋骨の上までコリが伸びていることも少なくありません。

心臓の裏や、胃の裏側など、特にコリがこびりついてるポイントです。

あと腎臓。肋骨にびっちりコリが乗って、結構石灰化していることが多いです。

背中にコリがびっちり貼りついていることのしんどさは、船底にゴッソリ牡蠣が張り付いているのと同じです。


牡蠣が張り付くほどに、船のスピードは落ちていきます。

最後は身動きが取れなくなり、海の藻屑に。


人体も船と同じで、背中にコリがびっちり貼りつくと、次第に身動き取れなくなってきます。

人が思い通り、自由自在に動けるかどうかは、お金があるないより、体が動くか動かないかでしょう?

身体が動かなくなってきているなら、気合いを入れてメンテナンスした方がいいですね。

船着き場ではなく、鍼灸院へようこそ。


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