筋肉につく毛玉の話
セーターにできる毛玉、わずらわしいもんです。
セーターではなく、筋肉も、繊維でできています。
今回は、筋肉にも毛玉がつくんだというお話。
身体の毛玉=クロスリンク、架橋形成
私たちの体を作っているタンパク質の3割くらいがコラーゲンだそうです。
コラーゲンはしっかりした繊維で、色んな用途に使われていますが、腱のような、筋肉が骨と付着するところの、「しっかりした素材」として使われることが多いです。
コラーゲンは、実に寿命が長く、15年も持つ長寿素材。丈夫でしなやか、しかも長持ちと、三拍子そろった良いものです。
そういうわけで、コラーゲン、あっちゃこっちゃ便利に使われているんですが、このコラーゲン繊維に、クロスリンクとか、架橋形成といわれる現象がおこります。
言葉は難しいけど、これ、線維にに毛玉ができたという意味です。
不健康な食生活→不健康な老化
どうして毛玉ができるかというと、原因として一つ、AGEsというのが考えられます。
私たちが普段の食事で、糖をとりすぎたときにできるもので、日本語では最終糖化産物といいます。
困ったことに、これが安定した物質で、なかなか壊れず、体の中に馬齢を重ねるごとに溜まっていきます。
誰の体にも多かれ少なかれ存在しているのですが、これがことに多いと色々な病気を引き起こします。
よく知られている生活習慣病、ほぼ全般にこれが関わります。
糖尿病、アルツハイマー、腎不全、動脈硬化症…シワとかシミの原因でもありますし、「老化の原因」になります。
このAGEsってのを測定できる機械…スキャナ、なんかも売ってます。年齢相応「じゃない」老け方をしてないか? 心配な方は、一度検査してみたほうがいいかもしれません。
話を戻します。
鍼灸と毛玉
わたしは、「めちゃくちゃたくさん」刺す鍼灸師なんですけど…
あ、鍼灸ってね、ツボといわれるところに刺す場合は、少ない場合は1か所、多くても10か所くらいしか刺さないんです。
ツボに刺す鍼灸=東洋医学の理論でやってる鍼灸
私がやってる鍼灸は、悪いところに刺す、単純な鍼灸。
いってしまえば、麻酔を使わない「簡易外科手術」みたいな鍼灸なんです。
で、悪いところは徹底して刺しまくるんですが、そういう治療をやっていると、悪いところと正常なところの違いが、よ~くわかるようになる。
ツボにだけ刺してると、見えてこないかもしれませんが、体の「悪いところ」は、変なんですよ。
筋肉に刺しているはずなのに、へちまタワシのような、ジャクジャクした刺し心地のところとか、ネバネバするところとか、色々あるんです。
患者さんから、「鍼を刺して痛いところって、悪いところですか?」と質問されることが多いです。
筋肉に毛玉がいっぱいついているところは、「痛い」です。
毛玉ができているところは、毛玉が毛玉同士混線するからかしれませんが、塊のようになっているので、それに鍼を刺すので痛い。
刺せば簡単にほぐれてくれればいいんですが、簡単にいかないことのほうが多いです。
ですから、この記事で皆さんにお伝えしたいことは、
「できるだけ毛玉を作らないようにして」ということです。
毛玉を増やさないようにするためには
毛玉は、AGEs…最終糖化産物。
タンパク質に糖がたっぷりまぶされ、さらに過熱したとき(体中に加熱する原因はあるので、加熱自体は避けられません)つくられます。
AGEsをつくらない方法は、糖を摂りすぎないことだけです。
糖は、小腸から吸収して、血管の中に入り、血糖という形でまず体の中をめぐります。
血糖が増えすぎる=血糖値が上がるです。
だから、血糖値を上げないことです。
腹八分目を保つとともに、甘いものを摂りすぎないようにしてください。
鍼灸治療を受けて、痛い思いをしないためにも、不健康な老化を避けるためにも、血糖値をあげない食生活を!