絵を描くように読む
就寝は子どもたち寝かしつけとともに22時過ぎ、本日も短時間で一度目が覚めた。時間はたしか24時過ぎ、妻は暗がりで電子書籍を読んでいる。そのまま目をつむりなんとか眠りにつけたが、再度起きたのは26時過ぎ。小刻みに覚醒が繰り返されるのは内服薬の副作用の影響だろう。2回目の目覚めはよりハッキリしていてすぐに眠れる気配がない。諦めて電子書籍を読むことに。最近は専らマルクス・アウレリウスの「自省録」を開く。
以前もざっと一読はしていたのだが、再度深く読み込んでいる。直近数週間で読んでいたのは書籍は、マルクスの思想に大きな影響を与えたエピクテトス。ストア派の基本思想をインストールしたあとに自省録を読むと、以前と比較して断然に言葉が頭の中に明瞭に入ってくる。端的に言えば、著者が何を言いたいのかが理解できるのだ。
これが読書醍醐味のひとつなのだろうね。ひとつの書籍からの連なりを手繰り、次の書籍へ渡っていく。渡った先で、もとの書籍と新たな書籍が僕の頭のなかでまじりあう。書籍に印刷されている物理的情報は不変だが、そこから想起される感情や思考は、違う書籍を混じり合わせた時点で僕オリジナルなものとなるのだ。
今回は自省録にエピクテトスという一色を混じり合わせただけだが、思考の景色が一変した。これが2色、3色となるにつれ、そのグラデーションや深みは増すのだろう。そしてその色彩は一つとして同じものがない。キャンパスたる「自分のこころ」は一人一人違うから。そういう意味では、文章を書くことはもちろんアートだが、読むこともアートと言えるよね。これからは、好きな色で絵を描くように、自由で楽しく読書していきたいと思う。
アートって結局全部に繋がっているのかもね。