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私に譲ってくれてありがとう»ワンオペ育児ママへのエッセイ

「私にばかり赤ちゃんのお世話をさせてズルい」

 夫と暮らしているのにワンオペ育児をしていると、そんな風に怒りが湧くことが、時々あるんじゃないかと思います。
 少なくとも、私は生後3ヶ月までの怒涛の期間、何度か苛立ちを覚えてしまいました。

 多忙で終電帰りが当たり前の夫。
 私物スマホに毎日電話やメッセージが入り、休日出勤もあります。
 付き合っている頃からでしたが、それは出産後も変わることはありませんでした。

 労働環境の問題ですので、夫を責めるのもお門違いだとは思っています。
 が、初めての子育てで失敗も多い中、朝にやると言っていた沐浴も次第に起きてこなくなり、今手を貸してほしいというときには当然の如くいない。そんな夫が昼寝したりゲームしたりしているのを見ると、イライラが爆発しそうでした。

 何とか抑え、生後3ヶ月を過ぎたある日。
 普段は6〜7時に起きる息子が、早朝に目覚めてしまい、迷った挙げ句もう一度寝かしつけたところ、起床が随分遅くなってしまった日がありました。

 良い機会だと思い、朝の沐浴をやめて、夜一緒に入浴してみることに。
 ワンオペ風呂をこなす自信が無く、漫然と沐浴を続けてしまっていたのですが、やってみると何とかなるものですね。

 そのまま夜入浴するスタイルに切り替え、しばらく経った頃、祖母の家で叔父に会う機会がありました。
 叔父は夫と数回の面識があり、多忙なことも知っています。最近はどうかという話の流れから、私がワンオペでお風呂に入れていることを喋ると、叔父はこう言いました。

「それは、可哀想だなと思いなさい。せっかくのお世話するチャンスを逃してしまって、可哀想にって」

 文字にすると嫌味ったらしいですが、叔父は夫を気に入っているようなので、きっとそうではありません。
 おそらく、自身も忙しくて育児にあまり関われなかった叔父の、後悔から出た言葉だったのでしょう。

 夫は可哀想。
 そう言われて、反対に、私はとても得をしているような気がしてきました。

 授乳のときの必死で真剣な顔。
 お風呂に入ったときの気持ちよさそうな顔。
 うんちをしようと気張っている真っ赤な顔さえ、何度眺めても飽きないほど可愛いのに、夫はそれを殆ど見たことがないのです。

 四六時中我が子を拝める私は、なんてラッキーなんだろう。
 そう捉えられるようになって、生後4ヶ月を迎えようとしている現在、気持ちは晴れやかでいられることが増えました。

 今日も息子は、母の手ハンティング、授乳無しでのお昼寝、歌に合わせてエイエイと成長を披露してくれました。
 お世話するチャンスを、私に譲ってくれてありがとう。
 大変な中でも、今だけの幸せを噛みしめていきたいと思います。


おまけ
(生後3ヶ月末時点で買ってよかったもの紹介)

 母の手ハンティング、というのは、赤ちゃんが胸の辺りに置かれた母の手を、自分の両手で捕まえて、にぎにぎしたり曲げてみたりする遊びのこと。
 正式名称が分からないので、勝手にそう呼んでいます。

 これが出来るようになったのは、おそらくこの布絵本のおかげ。

 持ちやすいのか、ページや鈴の音が面白いのか、このおもちゃを渡すと一人で割と機嫌よく遊んでいてくれます。
 プレゼントしてくれた実母サンタに感謝。


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*本記事はプロモーションを含みます

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