まだ母乳とミルクしか知らない(はずの)我が子へ
生後4ヶ月の息子は、どうも食い意地が張っている気がする。
例えば、ソファで授乳中に夫とテレビを眺めていて、マックのCMが流れてきたときのこと。
「ホットパイだって!美味しそう」
「買いに行く?どっちの味にしようかな」
なんて会話をしていたら、授乳クッションの上で横抱きしていた息子が突然、
エビ反りを決めてテレビを見ようとした。
ヒエッとなって慌てて押さえたから、滑り落ちてはいかなかったものの、怖すぎる。
そもそも、君はまだ当分食べられないですよ。
“ホットパイ”が何か、分かっているんですか。
またあるときは、同じくソファで授乳中に、夫とパンを分け合っていた。
賞味期限間近でまとめ売りされていた、パン屋さんのパン数種。
「どれがいい?カレーパンか、あんパンか、ウインナーロールか……」
夫がそう読み上げながらパンを並べていると、
またしても突然のエビ反り。
だから!食べれないって!
取り押さえながら、思わず笑ってしまう。
味も知らないはずなのに、本当に不思議。
振り返ると、お腹の中にいたときから、そんな感じだったかもしれない。
食事のタイミングで、割と胎動を感じていた。
和食のお店に行って、天ぷらを揚げる音が聞こえてきた途端、胎動が激しくなったのには驚いた。
私自身の食欲も、妊娠後期が人生最大級だった。
お盆に親族一同外食へ出かけ、祖母がほぼ食べられずに渡してきたとき。
「じゃあ食べられる分だけ貰うね」と受け取った私は、結局自分の分と合わせて約2人前を平らげてしまった。
あの異常な食欲は、食いしん坊な息子からの指令だったのかも
と、今になって思う。
さて、育児書によると、離乳食は生後5〜6ヶ月から開始するようだ。
調理して、食べさせて、片付けて……考えるだけで大変そうである。
それでも、早々に便利グッズや市販の離乳食をチェックしてしまうのは、食べることが好きそうな息子の反応を想像して、ワクワクするからだ。
食事の話をするだけで顔を上げていた君は、果たしてどんな風に、人生初の食事をするのだろう。
楽しみにしているね。
たくさん食べて、丈夫に育つんだよ。
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