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『ドロヘドロ』異色すぎるアニメ作品

 異色の作品、という言い回しはたまに耳にするが、今作は特に異様さが際立っている作品ではなかろうか。世界観もそうだが、本作品は小学館の漫画雑誌を4誌にもまたいで掲載された漫画だ。連載期間は2000年から2018年まで。実に18年間の長期連載。いちおう完結はしている。

 本作は他の作品との違いなどを語りだすと内容が多すぎて困る。それぐらい他作品とは一線を画す強烈な一品となっている。

 この作品は考察とかはあまりしても意味がない気がする。自分はアニメでしかこの作品を知らない。漫画はすでに完結しているが1冊も読んでいない。なので知識はアニメ版にしかない。考察するとなると中途半端になるし、最後まで物語を見ればたぶん、謎はすべて解けるのだろう。なので考察はしない。今回は自分が感じた印象を素直に語る。



👿なぜ悪魔が支配しているのか

 この作品の世界は現代の人間社会を模倣したものではない。過去でも未来でもない。完全に創作された世界、つまりは異世界ものと言っていいだろう。この『異世界もの』という単語を見るとよくあるハーレムアニメ、なろうアニメを思い浮かべる人が多いだろうが、全くそんなことはない。

 世界は2つあり、魔法使いと呼ばれる異能のちからを持つ人間が住んでいる世界、もうひとつがその魔法使いの世界の下にあるホールと呼ばれる世界。ドロヘドロはこの2つの世界で構築されている。

 なぜ魔法使いとそうでない普通の人間に分かれているのか。その理由は劇中ではまだ明かされていない。漫画版ではもう出ているのだろうか。両者は完全に上下関係が決まっており、魔法使いがホール人間を一方的に魔法の実験にしたり、嬲ったりしている。魔法使いの使う魔法が種類にはよるがただの人間を圧倒するちからなので、そのようなちから関係になってしまうのかもしれない。

 魔法使いの頭部には悪魔の形をした腫瘍があり、それが魔法のちからの源となっている。他にも普通の人間にはない臓器があったりするようだ。つまり魔法使いは人間とは完全に別個の種になる。彼らは悪魔と親密な関係にあり、ちからを与えてもらったり、あるいは罪を犯して地獄に引きずり込まれたりする。悪魔と魔法使いだと悪魔のが完全に立場が上になる。つまり、この世界は悪魔が支配していると言っていい。
 
 ここで気になるのは悪魔の対になるような存在がないことだ。自分の感覚だと物事や事象は左右対称であり、必ず反対のものがある。悪魔がいるのなら、天使がいても不思議ではないと思うのだが、どうやらそういう存在はいないらしい。作者はなぜ対になる存在を創らなかったのだろうか。細かすぎると言われるだろうが、気になってしょうがない。

🌞世界観は好きだが、狭い世界観

 全体を通してダークファンタジーな世界となっている。ファンタジーといっても某ゲームのような中世ファンタジーではないので、ドラゴンや聖なる武具などは出ない。悪魔やゾンビは出るが。

 劇中で世界名や街の名前は出てくるが別の国や大陸の話はない。今のところは。本当に主人公やその敵方がいる周辺の街ぐらいにしか視点が移動しない。おそらく作者が意図的にそういう見せ方にしているのだろう。作者が見せたいのはキャラクターとその人間関係を中心にした物語。世界全体を掘り下げるような展開には興味がないようだ。

 その手の作品は別に珍しくないのだが、今作においてはその世界観も魅力的なので、どうしても世界の奥を覗き込みたくなってしまう。

📖終わりに

 前述したようにすでに原作である漫画版は完結している。物語の先を見たいのなら漫画を読めばいいのだが、自分としてはアニメから入ったくちなので、アニメで最後を観たい。

 ただ、それがいつになるのか。1期がすでに4年前・・・・・・、
今、ネットで調べてみたらなんと第2期制作決定してました。まじか。これは嬉しい誤算でした😂 すでに創り出しているようだ。ということは今年中か、あるいは来年の初め頃か。感想文を書いていてまさかこうなるとは。

 アニメの種類としては全体的にダークでグロくて汚さが全面に出ている作品だ。ファンタジーとは銘打っているが綺麗さは微塵もない。エルフとかも出ない。血しぶき飛び散るタフな異世界が好きな人には合うと思われる。
 最後にサプライズがあった。楽しみでならぬ。2期の感想文で会おう。


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