【連作短歌】たぶんつばさが生えていました
昼休みカーテンゆれる君の背に たぶんつばさが生えていました
うまれつきいい奴みたいな顔をして渡す置き傘 恵みの雨の
少年は恋のルールをキスで知るアウトでいいよもう負けている
あなたの喉の骨をなぞってわたしたちが大人になってゆく夏
「愛 恋 違い」をGoogleに子どもらが問う夜のファミレス
さよならを失う冬にさよならと言えず重ねた手と手と口と
すきな人がよく眠れますようにと明日の未読に宿る祈りが
🍓🍓🍓
武田ひかくんと、短歌の『いちごつみ』しました。発端はこちらのツイート。
相手の歌から、一単語とって歌を詠む。それをいちごつみと称するそうです。はじめて知った。
毎日1首のゆるゆるペースで約10日。
作っているうちに、「恋」をテーマにした歌がじゃんじゃん増えたので、連作短歌という形にしました。複数作ってみると、多用する傾向がある言葉がよくわかります。私は、「恋」「夏」「夜」「朝」あたりが大好きです。
上の連作短歌は、それぞれ以下の単語から詠んでいます。やーたのしかった。なにより、まとまった数ができてうれしい。
「昼」「奴」「キス」「あなた」「子ども」「失う」「宿る」
短歌って不思議ですね。31文字の限られた世界なのに、言葉が遠くまで届く。
今月のyomyomに掲載されている、野口あや子さんの『短歌ラリーでどこまでもゆけ!』のなかに短歌は描写って記述があります。
説明ではなく描写。だからこそ、限られた文字数から世界が広がるのかな。やー深い。短歌、深いなあ。
普段は小説書いて、短距離走を走っているみたいなところから、いきなり走り高跳びやるみたいな。つながっているけれど異種目感があっておもしろかったです。ちょこちょこでも続けていきたいな。
短歌の世界をたくさん覗ける歌集『短歌タイムカプセル』を紹介したこちらのnoteもおすすめ。