奄美大島、BBQ、7つの習慣。#本気ver.
実は10月の終わり、約1週間ほど奄美大島へ行ってきました。
私、実は奄美大島に実家があるのです。
とはいえ、もちろん仕事もそこそこある…。と、例年であればこのような時期には帰省しないのですが、ある日気づいたんですよね。
「あれ、東京の自宅からリモートも、奄美の実家からリモートも…一緒じゃない?」「さらには、奄美大島は海がきれい!のんびりできるリゾートだ…」
これは…そう!今巷で話題の「ワーケーション」ができる!!!
新しいもの大好き、流行りは一度体験したい!派なので、上司に「奄美1週間行きます。有休数日取ります。あ、残りは仕事します!」と言い残し奄美へ飛び立ってみました!
そんなお気楽な気持ちで飛び立った、奄美帰省だったのですが…、この「ワーケーション」は私に思った以上の気づきや発見をもたらしてくれることになったのです。
奄美の、仕事。
少しさかのぼります。私は、両親が奄美から上京して生まれた子どもだったので、私自身は奄美で「生活」をしたことがありません(両親が数年前にUターンしました)。なので、親戚や従姉弟たちは奄美大島におり、普段は接する機会が少ないのです。でも、最近はSNSで従姉弟や、その子どもたちとも繋がったりするようになりました。
私自身は3年ぶりの、そしておそらく働いてからは初めてのゆっくりとした帰省。これまでしたことがないことをしようと、普段会えない従姉弟と飲みに行ったり、父が奄美でやっている地方創成の仕事仲間と会ったりと、「人」に会う機会を増やすようにしました。
住んだことのない場所。でも、確実の自分のルーツとなっている場所。そして、東京とは全く違う文化の場所。そう、仕事の在り方も大きく違うのです。
例えば、村役場で働く従弟とはこんな会話をしました。
「奈緒姉ちゃんは、どんな仕事しているの?」
「うーん、出版とか教育とか…。世界で売れている本があって、それを宣伝やPRをしているよ」
「そうかあ。島にはない仕事なんだね」
「○○(従弟)は?役場でどんな仕事しているの?」
「一次産業が多いから、そこに関わってるよ。イノシシ肉とかもよく関わるし、なぜか、トビウオ漁の手伝いをすることもあるよ」
トビウオ漁!すごい!
その時の映像を見せてもらうと、なんと漁に向かう船の周りには大量のイルカがいるのです。
「イルカと一緒に泳げるんだよね?すごい!!(興奮)」
「うーん、でも漁の時は邪魔なんだよね(冷静)」
イルカへのパラダイムシフト…。イルカと泳げることは、人類の喜びくらいに思っていたのですが、まさか「邪魔」と思う人に出会うとは…。
自分がいかに自然の近くにいないかがわかりました…。
そしてふと思ったのです。私は『7つの習慣』が1人でも多くの人に届くといい、と思って仕事をしています。出版も教育も研修もITも、世界をよくする仕事がFCEに詰まっていると思って働いています。でも、彼にこれらのことって必要なんだろうか? なんだかそんなことが胸を渦巻いてしまったのです。
食べ物を得て、近くの人と分かち合って、作ったものを還元し合って…。それって「働く」の基本ですよね。私の仕事は、そういう部分で「意味」を持っているだろうか?東京と奄美大島は別世界、分断された世界だと考えればいいのだろうか? もちろん主産業の違いはあります。地域の特性はあるし、それは異なる。でも、「別の世界」とくくれることではないはず。
じゃあ、私や私の仕事は、どんな風に自分のルーツである「奄美大島」に役に立てる可能性があるんだろうか…?
他にも、奄美大島で養蜂場を営む経営者の方や、元々東京で働いていたけれど、奄美の魅力に取りつかれて奄美の活性化に尽力されている同年代の方とお話をする中で、「私や、私がやろうとしてる仕事は、どうやったらここでもっと役に立つことができるのだろう?」 「意味や概念や在り方を伝えるだけでいいんだろうか?」そんな思いが、胸を占めるようになっていきました。
PDCAなんて知らなくても。
そして、2つ下の昔からよく一緒に遊んでいた従妹と一緒に飲みに行きました。
彼女は、生まれたときからずっと奄美大島で育ち、今は4人の子どもを育てています。昔から、アクティブでイラストなどのセンスが抜群だった彼女。今はどんなことをしているのか、仕事の話を聴きました。
「今はね、宅配BBQ屋さんをやっているんだよ。今年になって起業したの」
「もともと、ダイビングショップで働いていたけど、子どもの都合に合わせることも多いから、海に触れる仕事などがしづらくなってしまって。自分で楽しいと思えることをやりたいと思って、色んな縁もあって始めたんだよ」
おお、起業!
そういうことであれば、ビジネス書や研修などで働いてきた私も、少しでも何か役に立つことがあるかもしれない。なんとなくそんなことを想いました。
「お姉ちゃんはどんな仕事なの?いつもインスタで本とかセミナー?についてアップしてるよね!」
正直、ちょっと満を持したつもりだったんです。
「うん、ビジネスやっていくのに必要な、PDCAとかマネジメントとかそういう本も作ったりしてるよ!」
「ふぅん…。ね、ピーディーシーエー、っち何?」
正直、頭を殴られた感じでした。
間違ってほしくないのは「こんなことも知らないのか!」と言った思いから衝撃を受けたわけではないということです。
「みんなにとって全く当たり前ではないことを、さも当たり前かのように思って、言葉を並べ立てて仕事をしている自分」に唖然としたのです。
そんなの当たり前だろ!という方も多いと思いますが、正直に言います。
起業するなら、PDCAくらい知っている。
経営を学んでいくなら、7つの習慣くらい知っている。
私は、そんな勝手なある意味「ちょっと意識高い系」という偏りのある人種として、そう強く強く思い込んで、狭い世界で生きていることに気づかされたんです。
でも、彼女の話を聴いていると「PDCA」を知らないからと言って、PDCA」が回っていないわけではありません。奄美大島北部には、約70件もの「素泊まりの宿」があるそうです。しかし、奄美大島は観光産業が沖縄のように栄えているわけでもないので、「素泊まりしても、ご飯を食べるところが少ない」のが現状。そこに目をつけ、宅配BBQ、しかもSNSでも映えるように、その子のセンスも活かした「フォトジェニック」なBBQをはじめたとのこと。
↓実際の写真!…美味しそう…!
とはいえ、コロナ禍でスタートしたばかりの事業。食材の仕込み・テーブルセッティング・準備・片付けと全て実施するにあたり、何先かの宿で試させてもらい、やり方をブラッシュアップしながら実施。さらには、その70件もの宿にも自ら電話をして、アプローチをしているというのです。
いや、もう完全にPDCAが回ってます。めっちゃ行動しているし。
こうやって、自然と自分で考えて行動している人たちに、私は何ができるんだろう?どうやったら、役に立てるんだろう?
そんなぐるぐるとした思いは、ピークに達していました。
彼女からの、相談。
その日は、久しぶりの再会となったこともあり、奄美大島の繁華街「屋仁川」で飲み明かしました。(いい店が多いんだこれが…)
従妹の家に泊まり、朝起きると、家ではかわいい4人の子どもたちが朝から大騒ぎ!テレビを見ながら歌ったり踊ったり。少し早く目覚めた私は、その輪に入りあっという間にもみくちゃにされて過ごしていました。
そんな朝を過ごしている最中、従妹がこんな相談をしてきたのです。
「ねえ、相談していい?」
「うん、どうたの?」
聴くと、親しい人に依頼されて実施した大掛かりな宅配BBQの、支払いについての話でした。親しくお世話になった方ということもあり、通常時よりも少しサービスして準備し実施したBBQ。
しかし、当日になって、予定人数よりも少なくなったことが発覚したとのこと。もちろん、通常時であれば人数の確認や前払い制、キャンセル規定などがあるのですが、奄美大島内の人で特別に親しい人ということもあり、支払いは後日もらうことになっているとのこと。そこで、実施後にこんな相談が来たそうです。
「予約した人数より減ったけど、当日来た人数分だけ支払うのでもいい?」
従妹はとても悩んでいました。
普段お世話になっているとはいえ、気持ちもサービスも込めて準備したBBQ。減った分そのまま割引したい気持ちもあるけど、準備した食材は予約人数分だし、手間もその分かかっている。
正直その相手とは、上下関係もあるし、言うことを聴いた方がこのままスムーズかなぁ、もめたりしたくないし…。そんな気持ちがあって、何をどう決めたらいいかわからない、ということだったのです。
そうか、こんな時に。
昔から、アクティブだけどとても優しい気質を持っていた彼女。
自分よりも周りのことを優先したくなるし、相手が親しいお世話になっている人であればなおさら悩むその気持ち、とてもよくわかる気がしました。
どんな部分が、イマイチ引っかかっているのか、話を聴いていくうちに私は自然とこんなことを言っていました。
「すごくお世話になっているし、これからも仕事上でも関係性をよくつなげたいと思っているってことだよね。でも、○○(従妹)も一生懸命準備したし、かかった経費もあるから、全て向こうの言うことを聴くのはちょっと違うって思ってる?」
「それなら、向こうが言うことを聴く、というだけじゃなくて、○○(従妹)もしっかり仕事をしたし準備をしたんだから、その対価は全部とは言わずとも、ちゃんともらっていいんじゃないかな?今後はできるだけこういうことが起きないためにも」
「うーん、お世話になっているしいいのかなあ…。でもたしかに準備時間も原価もかかってるんだよね…」と困り顔の彼女でしたが、
「親しくて普段仕事を任せてくれる信頼関係のある人なら、“勇気”と“思いやり”をもってきちんと理由を伝えたら、わかってくれるだろうし関係が悪くなることはないんじゃないかな?」
と、彼女の頑張りが伝わってきた分、どうにかその気持ちも報われてほしくて、そう伝えてみたのです。
彼女は、それを聞いて
「うん、そうだね…。そう思っていいんだね。ちょっとそれで連絡してみるよ!」と言い、電話をもって部屋を出ていきました。
そして数分後、連絡を終えた彼女は戻ってこう言ってくれたのです。
「奈緒姉ちゃん、ありがとう。“お世話になっているから全部割引したいけど、準備もしたしサービスもさせてもらったから、来なかった人数分は半額でどうですか?”って相談してみたんだ。向こうも、ああそうだよね、って納得してくれたし、すごくスムーズにそう決まったよ。今後はあらかじめ、ちゃんと連絡しようねって話もできた!」
「相談しなかったら、多分我慢して全部割引きして、今後の関係に悩んでしまっていたと思う。本当にありがとうね」
7つの習慣、を通じて伝えたかったこと
従妹の言葉を聴きながら、何だかとてもハッとさせられ、こんなことを想いました。
「ああ、私がこの話を彼女にすることができたのは『7つの習慣』でいうところの、“第4の習慣 Win-Winを考える”という考え方や、その中ででてくる“勇気と思いやりのバランス”について、知っていたからかもしれないな」
もちろん、自分がいつも『7つの習慣』を実践できているとは微塵も思いません。正直、彼女と同じ立場になったら、私も同じように悩んだと思います。
でも、『7つの習慣』というフレームが頭の中に入っていることで、親しい人の役に立てたことが本当に、本当にうれしかったのです。
伝わることは、当たり前のことじゃないから
いつも当たり前のように『7つの習慣』にかかわる仕事をさせてもらっていて、もっと世界の隅々まで、こういう考え方が根付くといいな、と本気で思います。
少なくとも、基本的にいつも考えすぎて動けなくて、人の顔色を気にして生きてきがちだった自分においては、人生をとても軽く、そして思考の根っこを太くしながらも、どこまでも羽ばたけるような自由さをくれた本だったから。
でも、それがとても独りよがりというか、私の勝手な願いであることも感じるのです。時には、とても仲の良い人に役立ててほしくて伝えても、伝わらないこともあるし、伝え方が下手すぎて、うまくいかないこともある。
そして大きな自然に囲まれて、自分の力でしっかりと生きている彼女に向けて、私ができることなんてないのかも、と無力さを感じる中で、懸命に伝えたことが伝わったことは、私にとってとても大きな感動だったんです。
もしかしたら。
こういうコミュニケーションをしたことで、もしかしたら彼女は今後同じような場面で悩まなくていいかもしれない。
さらにいえば。
もし彼女に直接『7つの習慣』というフレームを知ってもらうことができたら、もっと彼女の仕事や日々のコミュニケーションはより円滑になる可能性だってある。
こんなの、当たり前のことかもしれません。でも、こうして身近な人やチャレンジをしている人の役に立てるんだ、ということが本当にとてもとても嬉しかったのです。
前進する人に、もっと前進してほしいから
前向きな気持ちや、人への思いやり、喜んでもらうための努力や、良かれと思ってやったこと。
もちろん、それら全部がいつもうまく伝わるとは限りません。それぞれの立場で、それぞれのモノの見方や考えがあって、それをきっかけに仲違いしたくないのにしてしまうことだってある。
でも、今回従妹が勇気をもってコミュニケーションをしたように、『7つの習慣』を少し実践してみることで、マイナスのコミュニケーションの溝が生まれることなく関係が前進することもあるかもしれない。
そんな瞬間を少しでも生み出したくて、私はこの仕事をさせてもらっているのかもしれない。FCEは、『7つの習慣』というコンテンツを大事にして、あらゆる場面で活かしたり、伝えたりしているのかもしれない。そんな実感ができるほどの嬉しい体験だったのです。
奄美大島でのワーケーションが、もたらしたもの
図らずも、奄美大島では自分の仕事観や大事にしている価値観に触れる機会に多く恵まれました。
もちろんそれだけではなく、しばらく会えなかった両親ともゆっくり時間を過ごすことで、色んな話ができましたし、普段は縁遠いと思っていた親戚たちが、みんな再会を喜び「お帰り」と言ってくれたことも、東京で一人暮らす私の心を満たしてくれました。
もちろん、いつもと違う環境なので、自分を律して仕事に向かう「セルフマネジメント力」は強く求められるなあとも思いましたが、「自分自身を含めて、大事な人・場所・時間を、大事にしながら、働く」ことのできるワーケーションは、すごく良い刺激になりました。
働くこと、生きること。
そんなことと向き合うことのできた、奄美大島時間。
何より自由のきかないリモート環境で、いろいろと対応してくださったFCEの一緒に働くメンバーには最大の感謝をしつつ、ここでの気づきを、ここ東京で活かして邁進していきます。
7SALONのメンバーの皆様には、いつかちゃんと直接シェアもしたいな!そのぐらい素敵な体験でした。
7SALON-7つの習慣 Official Book サロンーとは?
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7SALON-7つの習慣 Official Book サロンーとは?
「7つの習慣を 仲間と 読む・実践する・語る」
https://7salon.jp/guide/
『7つの習慣』を読んだり、学んだり、語ったり。そんなきっかけの場が会員制オンラインブックサロンの「7SALON」です。『7つの習慣』の価値観をベースに、実践・習慣化するために集うオンラインサロンです。
・最新刊を含むキングベアー出版の全書籍の電子書籍読み放題
・オーディオブック聴き放題(12月より順次公開)
・月1回のゲストトーク「7SALONナイト」開催(無料)
・毎日「7つの習慣 実践メール」が届く(12月よりスタート予定)
など、『7つの習慣』という共通の価値観を持った仲間と出会い、実践し、セルフリーダーシップ、そして周囲に影響をもたらすリーダーへと、ともに成長する場づくりを目指しています
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※ちなみに…タイトルの「本気ver.」とは、実はこの記事の簡易版をFCEグループのメディアに書いたから付けました。この文章で出そうと思ったけど、あまりにも個人の主観によって長すぎたので!笑 でも、「せっかくだしnoteにだしなよ」と言ってくれたチームのみなさん、ありがとう。