映画『アノニマス・アニマルズ 動物の惑星』
久しぶりに好きなテイストの映画を観たのでこの場(note)に紹介してみようと思う。
2020年のフランス映画。
某猿の惑星と近いテーマではあるものの全く違う切り口の世界観である。
人間に扱われている動物の視点で、動物が人間を扱っている世界を描き出している。
鳴き声はあるものの全く台詞(人間の言語)がないので、常に前頭葉フル活用して空気を読み続ける必要がある。
台詞がない事で多く人から共感を得られるだろうし、純粋に自分の思考だけで世界観を判断出来るのも面白い。
そして、ヨーロッパ映画特有の陰鬱だが洗練された画角表現も見逃せない。
唐突に動物に捕らわれる人間達の場面から始まるが、人間達は普通に現代的な服装をしているので某猿の惑星とは異なり、それなりの文明社会の中で生きていると思われる。
人間中心の地域から動物中心の地域に迷い込んで捕らわれてしまったのか、そもそも動物に飼われて服を着せられている人間達なのかもイマイチ判別が付かない。
動物達も頭部は馬や犬などだが人間のように直立歩行し、洋服を着用し、銃やスタンガン的な武器を持ったりしている。(もしかしたら、動物の被り物をした人間なのかもしれない…)
たくさんの矛盾点が登場するが、恐らくこの映画ではそこも含めて想像を絶するパラレルワールドとして楽しむべきだろう。
陰鬱でアーティスティックなB級映画と思えば素敵ではないだろうか。
確実に好みが分かれる映画に違いない。