5歳児が考案した「家事がラクになる方法」
息子が壁に何か貼りつけている。
お気に入りのお絵描きでも飾っているのか。
「できたひょう」
何これ。
「なんでもいいから何かできたら、ここにシールを貼っていいんだよ!」
なるほど。シール貼りたい欲を合理的に処理していこうという作戦か。天才。
面白いことを考えたなあ、と関心しながら「たとえば、なわとび頑張ったときとか?鉄棒できたときとか?」と聞いてみた。
「ちがうよ!これは、お父さんとお母さんの!」
ん?どういうこと?
「お父さんとお母さんが、何かできたらここにシール貼っていいよ!」
え、わたし?
待って、待って。お母さん、そんなに毎日挑戦的に生きてないんだけど?息子が思うよりもずっと、お母さんは惰性で生きているし、そんなに日々何かを達成し続けている人生じゃないんだけど。今日も仕事終わんなかったなー、まいっかー!ふひー!がデフォなんだけど??
わたしが考え込んでいると、隣で夫が元気よく言った。
「はい!お父さん、今日、お洗濯できたー!」
は?できた?ただの家事やんけ。
そう思ったけれど、息子は笑顔で夫にシールを渡している。
5歳児にがんばったねーと褒められながら、夫は「できたひょう」にシールを貼る。
「お母さんは何かできた?何でもいいよ!」
ほんとに…なんでも…いいんですか…。
じゃあ、お料理と、洗い物…と、小さな声で答えたら、息子は「よくがんばったね!」と言いながらシールを2枚くれた。
何これ。
めっちゃ、うれしい。
なんかわかんないんだけど、めっちゃうれしい。シール貼るのすげー楽しい。
家事って、ただ毎日やらなきゃいけない「タスク」だと思っていた。
だけど、息子がそれを「チャレンジ」に変えてくれた。
やった、じゃなくて、できた。
当たり前のことをちゃんとやった、それってもしかして今日も「できた」ってカウントしていいのかも知れない。いいのか!?いいのか!?
ちゃんとごほうびがもらえるようなことやってるんだ、わたし!!
・
それから毎日、息子は「お母さん、今日はお料理できたねー」「お父さん、お風呂掃除できたねー」とわたしたちの「できたこと」をちゃんと見つけてくれて、彼のお気に入りのシールを分けてくれる。
単純すぎるけれど、家事をしながら、息子がごほうびシールをくれることを期待する。そのときの息子の言葉や笑顔を想像して、わくわくする。
今日も褒めてくれるかなと思いながらする家事は、すこしだけ気持ちがラクだ。
やるのは当たり前なんだけど。できるのは当たり前なんだけど。
それを見つけてくれるひとがいる。褒めてくれるひとがいる。
こんなことで、うれしくなれるもんなんだね。
息子がまたひとつ、家族の暮らしを楽しくしてくれた。あいつ、マジ最高。
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