幼児とかっこいい写真を撮るライフハック
これ、あるあるだと思うんだけど。
最近、5歳の息子がカメラを向けると、めちゃくちゃポーズ決めてくる。
しかめっ面で両手を揃えて横へ伸ばし、足を大きく広げて立つ。戦隊ヒーローがやりそうな、それの擬音は間違いなく「シャキーン」やな、なポーズ。
別にええねん。好きなポーズで写ったらええねん。とは思うけれど、親子や家族で撮る写真に、ひとりだけ思いっきり温度感違うひとが写ることになる。
シャキーンの隣でわたしが笑顔でピースサインをしていたり、シャキーンの背後で夫婦が仲良くより添っていたりするのって、1枚の写真としてとてもちぐはぐな印象がある。
いや、別にいいんだけど。なんつーの、家族写真とかってさ、グルーブ感がほしくない?「みんなの気持ちはひとつ!」みたいな暑苦しいの。ほしいの。ほしいのよ、わたしは。
嗚呼!息子の決めポーズのせいで、素敵な写真が撮れない…。
そう思ったので、
逆に、息子のテンションに合わせてこちらもポーズを変えることにしてみた。
そう。何も息子に譲歩してもらう必要はない。こちらが息子の世界観に入り込んでいけば、きっと「いい写真」が撮れるはず!
息子の「シャキーン」に合わせて、負けじと「シャキーン」をやってみる。
あ、めっちゃかっこいい。二人組のヒーローだわ、これ。
息子の「シャキーン」の背後で、「ジョジョ立ち」をやってみる。
あ、これエモい。スタンドと、スタンド使いに見える。
息子の「シャキーン」の隣で、腕組みして足を揃えて立ってみる。
あ、これもかっこいい。武闘派と知能派の二人組だ。
面白い写真が次々に撮れる。
息子も「こんなの撮れたよ」と見せると、いいね!と喜んでくれる。
こりゃいいこと発見したぞ。
こんな写真も、きっと息子の「シャキーン」ブームが去ってしまえば撮れなくなる。いましか撮れない貴重な写真だ。わたしも次はどんなポーズにしようか?と考えるのが楽しくなってきた。
ね!めっちゃいいよね、この写真!いいアイデアだよね!
と夫に言ったら、アルカイックスマイルで「そうだね」と言われた。
…え?
…だめ?
面白がってるの、わたしだけ?
いやいや、これ、「シャキーン」ブーム期の幼児とかっこいい写真を撮るための最高のライフハックだと思うんだけど!!!!
熱弁したけれど、夫は顔面にほほえみをはりつけたまま「そうだね」とくり返すだけ。
ぜ、絶対思ってないやつ!「そうだね」って思ってないやつ!「そうだね」としか言えないから、「そうだね」って言ってるやーつ!!
うんうん。
何を面白いと思うかはひとそれぞれだもんね。
夫婦だからって同じ感想を抱く必要なんてないし。夫は夫、わたしはわたし。
とは言え、わたしと息子が「かっこいい写真」を撮ろうとすることに夫は協力してくれる。奇抜なポーズでカメラの前に立つわたしたちを否定せずに、黙ってシャッターを押してくれる。
愛されてるなあ、わたしたち。
そんな夫の愛にあまえつつ、息子が「シャキーン」をやる限り、わたしも息子と「かっこいい写真」に納まり続けようと思う。