#59 地域おこし協力隊は気を遣う?
はい、けっこう遣いました私は。誰に対してか?地域の人ほぼ全員にです。
前回のテーマでお伝えしたように、私的にチャンスかなと思った出来事に積極的に乗らなかった大きな理由は「(地域の人に)気を遣うから」でした。
皆さんはどうですか??
よそから「地域おこし協力隊」としてミッションを持って知らない土地に来て、既に出来上がった人間関係、力関係、慣習、風土のところで生活をしようというのですから、多かれ少なかれ誰でも気を遣うことだと思います。問題はその程度や質だと思います。
もちろん「地域おこし協力隊」でなくても、山にこもって仙人になる以外、社会生活を誰かと送るうえでは避けては通れない部分ですが、「地域おこし協力隊」の場合は、余計に気を遣うと思います。
私の知る協力隊OBOGの人の中には、個人的な飲みでは地域のお店には絶対行かなかった、違う地域で飲んでいた、という人がいました。また、ミッション遂行にあたって、地域の人間関係相関図をマップにして書いておいたという人も。
これはミッション次第というのはもちろん、着任した地域の規模や地域性、協力隊の性格、個人差によるところが大きいと思いますので、私の場合、私の感想を伝えるくらいしかありません。
私の場合は、自分の状況を客観的に見れるようになってから、地域の人への気の遣い方に拍車がかかりました笑。
「自分の状況を客観的に見れるようになってから」?というのは、私のミッションを知らない人もいる、というかほぼ皆知らない(理解していない)。知らない(理解していない)というか、地域の人が解釈している私のミッションと私が解釈している私のミッションが同じでないと分かってから。
さらに私の場合は私のミッションに納得していない人もいました。もちろん無関心な人もいる、私が公務員だと思っている人、市役所職員(市役所職員と同じ待遇(給与))と思っている人もいました。「次はどこの地域に赴任するの~?」と聞かれることもしばしば。そして、良いも悪いも何とも思っていない人もいる、そもそも私を知らない(ここが大多数ですけどね)。
ということで、私のミッションは市役所職員的な業務内容では全くありませんでしたが、自分の状況が分かってからは、あえて自ら”市役所職員的な態度”を取るようにしました。この意味は、地域の人全員に等しく、親しく、元気に、笑顔で親切丁寧に接する、ということです。
いや、当たり前やん??と思われるでしょうが笑。
その程度は具体的に言うと、車を運転していても、歩道に地域の人がいれば会釈する、知っている人であれば手をふる、さらに関りの多い地域の人であれば車を止めて少し話すことも、てな感じです。
それに、主に関わっている受け入れ団体の方達だけを相手にしていると思われないように、地域にある4つの自治会の自治会長にも等しく付き合う、必要に応じて等しく相談・報告・連絡に行く(等しくといっても4自治会長のうちのリーダー自治会長が何でも1番にですが)。各自治会の行事にも顔を出す、手伝う(特に草刈りや神社等の行事など)。地域のボランティアグループのイベントはまんべんなく顔出す、手伝う。地域にあるお店にはまんべんなく定期的に顔を出す。逆に、やらないことも等しくやりませんでした。地域のどこのグループのグループライン(連絡網的なもの)にも入らない、何かの役は引き受けない、個人の携帯番号は教えない(公共性があったり、明らかに用事があったり、仲がよくなったりしない限り)。
私のメインミッションは地域にあるボランティアグループの一つが運営している「コミュニティスペースが併設されたカフェ」の運営支援でしたので、それだけしていても良かったといえば良かった…のかもしれませんが、色々な状況や背景を勝手に背負い笑、〇〇グループだけの支援ではないですよ~地域全体のために来ましたよ~という姿勢を前面に打ち出すようにしていました。できるだけ、関わるも関わらないもどこかに偏らないように気を付けました。
そして、任期が進めば進むほど、誰にも嫌われないように、最大公約数の好印象を目指し、人畜無害、角が立たないように、既存のパワーバランスに従って、等しく距離を保ち、特段自分の意見は言わず、ニコニコと。。。。
もし、これで私が行く先行く先握手をしていたら、、、
わたしゃ選挙の立候補者か!!!!!!的な立ち振る舞いでした。
その甲斐あってか笑、任期終了間際では、同じ地域での集落支援員や市役所職員、公民館職員への応募を熱心に勧められました。もちろん、応募=合格とも限りませんが、「地域おこし協力隊」だったというのはかなりポイント高いのではと思います。私はニコニコと丁重にお断りを続けました笑。
ですが、これは人によってはチャンスですね!立派な!
「地域おこし協力隊」から、市役所職員、議員、村長!?
になることもありますからね!
「地域おこし協力隊」としての地域への気の遣い方や程度、地域との関わり具合、退任後の地域との関わり方、何一つ同じパターンはないのではないでしょうか。同じパターンに見えても中身のドラマは十人十色。登場人物達にしかそのドラマは分かりません。
3年間の「地域おこし協力隊」ドラマが終わっても、
まだあなたのドラマは続きますよ。そっちのほうが長いですよ笑!
さて、だいぶ「地域おこし協力隊」あれこれについては好き勝手語り尽くした気がします。来年は新ドラマやあの部分をお届けできたらいいかな!?
(期待はほどほどに)
全国の「地域おこし協力隊」に幸あれ。
よい年末年始をお迎えください。